放送20周年、「ゴーゴーファイブ」“巽ブラザーズ”にインタビュー!燃え続ける作品愛を語る

インタビュー

放送20周年、「ゴーゴーファイブ」“巽ブラザーズ”にインタビュー!燃え続ける作品愛を語る

「ゴーゴーファイブ」は、ガチの一般人戦隊

左から救急救命士のマツリ(坂口)、ヘリパイロットのショウ(原田)、特殊レスキュー部隊隊長のマトイ(西岡)、化学消防班員・研究者のナガレ(谷口)、警察巡査のダイモン(柴田)
左から救急救命士のマツリ(坂口)、ヘリパイロットのショウ(原田)、特殊レスキュー部隊隊長のマトイ(西岡)、化学消防班員・研究者のナガレ(谷口)、警察巡査のダイモン(柴田)[c]東映

――DVD COLLECTIONでの見返しポイントとして、特に印象的だったエピソードなどを教えてください。

西岡「『完全なる敗北』(第19話)という回で、強敵相手に徹底的にやられて敗走して。それまで勝ち続けてきたのに勝てないという展開が、マトイとしても演者自身としても精神的に心に刻まれています。敗北から次の勝利につなげるような演技について、ものすごく考えたのを覚えています。敗走シーンも深夜の雨降らしで大変だったなア…」

谷口「その、敗れながらも強くなるのがおもしろい。だって、ゴーゴーファイブって一般人ですよ(笑)。父親に無茶振りされた公務員が気合いで敵を倒すって、そんな戦隊います?(笑)。身近なヒーローが戦い成長する内容も、長く愛される理由かもしれません。ある意味、斬新さですよ」

西岡「そうそう、斬新だよ(笑)」

  近年は「仮面ライダーアマゾンズ」にも出演、俳優・モデルとして活躍中の谷口。12月20日~28日には東京・スペースゼロにて舞台『巌窟王 Le théâtre(ル テアトル)』に出演
近年は「仮面ライダーアマゾンズ」にも出演、俳優・モデルとして活躍中の谷口。12月20日~28日には東京・スペースゼロにて舞台『巌窟王 Le théâtre(ル テアトル)』に出演撮影/渡邊明音

谷口「見どころとしては、坂口望二香が武器や必殺技を活舌が悪くて言えなくて、諦めてそのまま使われているんです。『ビルドディスチャージャー』と言うはずが『ビルドディッターダー』とかになっていて」

坂口「1話とか最初だけです!私、10話くらいからいい演技してます!」

原田「めちゃくちゃ客観的に見ている(笑)」

柴田「1話、最初の登場シーンで(巨大な敵に圧倒され)寝転がる5人がカメラで撮られていた時は、みんな素人みたいな表情だったのが、50話にはスパッと良い表情になっていて、格好良かったと思います。あとは、ナガレが女装した回がおもしろかったね」

谷口「『泥棒とサイマの卵』(第16話)かな。変身する時『行くわよ!』って言うやつ」

柴田「そうそう(笑)」

本作の後、「仮面ライダー555(ファイズ)」にも出演した原田。現在は赤坂見附で飲食店を経営。特撮ソングによるディスコイベントなどもプロデュースしている
本作の後、「仮面ライダー555(ファイズ)」にも出演した原田。現在は赤坂見附で飲食店を経営。特撮ソングによるディスコイベントなどもプロデュースしている撮影/渡邊明音

原田「僕は『カビが来る』(第6話)の、猛毒性のカビが充満した室内で倒れるシーンで、寒いセットにひたすら寝かされて、まったく動けなかったのが辛かったです。とことん追い込まれた撮影で、あの経験を通して1年間演じる覚悟が決まりました」

坂口「覚悟といえば、昨日観た『灼熱の2大災魔獣』(第11話)で、谷底へ落ちかけた銀行強盗を『どんな人間も命の重さは変わらない!』ってマツリが助けるんです。その時から私の眼差しが変わっていたんです!あの時、マツリはゴーピンクとして覚悟を決めたんじゃないかなって…」

西岡「それ、あなたの演技なんだから、はっきりしてもらわないと(笑)」

柴田は闘病、リハビリを経て幼稚園スタッフ(補助員)として勤務。テレビ番組での西岡たちとの再会をきっかけに芸能活動を再開。詩作や講演なども行っている
柴田は闘病、リハビリを経て幼稚園スタッフ(補助員)として勤務。テレビ番組での西岡たちとの再会をきっかけに芸能活動を再開。詩作や講演なども行っている撮影/渡邊明音

柴田「でもさ、望二香は…大人になったなあ」

西岡「全然なってないでしょ(笑)」

谷口「その回が自分的には良かったと」

坂口「はい。でも私のおすすめは『ちびっこ救急戦士』(第24話)で…」

原田「違うの!?(笑)」

坂口望二香こと、柴田かよこは映画、ドラマ、CMなどで幅広く活躍。近年は台湾でも女優として活躍するほか、国内ではニコニコ生放送の配信番組などにも出演
坂口望二香こと、柴田かよこは映画、ドラマ、CMなどで幅広く活躍。近年は台湾でも女優として活躍するほか、国内ではニコニコ生放送の配信番組などにも出演撮影/渡邊明音

坂口「お兄ちゃんたちが子どもにされて、マツリが最高に頑張っているんです。お兄ちゃんたちとマツリの“家族の絆”も、昨日本当に泣きました。みんなも、もう1回観てみて!」

西岡「わかった。おまえが俺にビデオ返してくれたらな(笑)」

「ゴーゴーファイブ」は、人情系ホームドラマ

第50話より、5人の父・巽モンド(マイク眞木)、母・巽律子(吉沢京子)を囲んでの巽ファミリーショット。全話通して見れば、家族の絆と兄弟の成長のドラマに、感慨一入!
第50話より、5人の父・巽モンド(マイク眞木)、母・巽律子(吉沢京子)を囲んでの巽ファミリーショット。全話通して見れば、家族の絆と兄弟の成長のドラマに、感慨一入![c]東映

――20周年を機に興味を持ってくれる若い世代もいると思います。これから作品を観られる方々へメッセージをお願いします。

西岡「マトイが地球を守る決心をして、兄弟に愛を伝えたり、だんだん長男としての覚悟が固まっていく姿を、そして良い意味での演技の成長と、みんなが成長する姿を“演じていた”というのを見てもらいたいです」

谷口「『昔の戦隊は、こんなふうに撮っていたんだ』という視点で見てもらうのもおもしろいと思います。当時はフィルム撮影でNGを出したらこっ酷く怒られたし、自分の演技にもあとから声をあてていましたからね。特撮もメカのミニチュアを1つ1つ丁寧に作って動かして…。あと、ゴーゴーファイブは透けたマスク越しに表情を見せる演出があって、僕たちも結構スーツを着て芝居しています」

「救急戦隊ゴーゴーファイブ」 DVD COLLECTION VOL.2(発売中)
「救急戦隊ゴーゴーファイブ」 DVD COLLECTION VOL.2(発売中)[c]東映

原田「歴代で一番働いた5人って言われたりね(笑)。スーツを着て、現場で炎の中へ飛び込んだりしました。当時は結構な量の火を使っていたんですよね。そんなリアリティを想像しながら見てもらえると、別の楽しさもあるのかなと思います」

柴田「『人の命は地球の未来』って、演じている時はどんな意味?って思っていましたけど、いまは本当にそうだなって思うんです。いま、世の中がすごく元気なくなっていると思うんです。だからゴーゴーファイブがレスキューに取り組む姿を見て、若い人たちにも何かに一生懸命になってもらえたらと思います」

坂口「『ゴーゴーファイブ』には戦う描写のほかにも、家族愛と、人情も描かれています。人情系のホームドラマなんです。人と人のつながりが希薄になっている世の中で、人の優しさとか温かさとかを感じてもらえたら…。こんな締め方で、まとまっていますか?」

西岡・谷口・原田・柴田「オッケー!大丈夫」

取材・文/トライワークス(大場 徹)

■「救急戦隊ゴーゴーファイブ」 DVD COLLECTION VOL.1
発売中 1~20話収録、ボーナスディスク付き(20周年記念イベントダイジェスト映像) 12,000円+税

■「救急戦隊ゴーゴーファイブ」 DVD COLLECTION VOL.2〈完〉
発売中 21~50話収録 15,000円+税

※各巻初回封入特典:ブックレット(限定生産。在庫なくなり次第通常仕様に切り替え)
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