三吉彩花、主演作『犬鳴村』に自信も、“歯がゆさ”を吐露…世界遺産で明かした23歳の覚悟
オープンセットをはじめ屋外での撮影が多かった本作ならではのエピソードを尋ねると、近くにいた清水監督が、「三吉さんは、すぐペットボトルでカメムシをつぶすんですよ」とまさかの内部告発。三吉は慌てて「違います!そんなことしてないですよ、紙コップにカメムシを貯めていただけです。みんなが取れないようだったので私が取ればいいやと。なので紙コップにおびき寄せて、そのなかでサヨナラしました」と昆虫に強い意外な一面を見せた。「虫には強いですね。ただ、全然別の現場で靴下のなかにカメムシが入っていたことがあって。さすがにそれはびっくりしましたけどね(笑)」。
完成した映画の見どころについては、「もちろん、怖いところです!ただ、怖いだけではなく家族のつながりだったり、人間ドラマの部分もしっかりと描かれているので、そういったところも楽しんでいただきたいなと思います」と、映画の出来映えに自信を見せた。
「とても恵まれた環境にいるからこそ、歯がゆさが募る1年でした」
中国での人気を追い風に、アジア圏で今後ますますの活躍が期待される三吉だが、プライベートでしばしば訪れるという韓国の文化に精通していることでも知られている。モデルとして世界を飛び回るなかで実感した中韓の文化の違いについて尋ねると、声を弾ませて教えてくれた。
「韓国はとても活気にあふれていて、若い人たちが流行に敏感でオシャレですし、男性も女性も自分を可愛く、かっこよく見せることに躊躇がないというか。個性を尊重し合うフレンドリーな文化が魅力的に感じます。中国は、自分の芯がしっかりあって、きちんと主張ができる強い女性や男性が多いイメージですね。個人的には、中国映画にとても興味があります。なんといってもアクションが凄いですし、久しぶりにかっこいい役をやってみたいなと思うので、呼んでいただけるように中国語の勉強も頑張ります」
主演映画『ダンスウィズミー』の全国を縦断するプロモーション活動から始まり、様々な作品への出演を重ねながら怒涛の勢いで過ぎていった昨年。そして2020年もふたたび主演映画である『犬鳴村』の公開で幕を開けた。ブレイク真っただなかと言える三吉だが、いま自分の置かれている状況を「とても恵まれている」と謙虚に受け止めている。
「色んな方との出会いやご縁があって、2年続けて映画で主演をさせていただけたというのは、自分のなかでは本当に運がよかったという気持ちです。昨年23歳になって、少しずつ大人の役もいただける年齢になってきたのですが、自分の実感としてはすごく歯がゆさが募る1年でした。もっと作品への向き合い方を考えなければならなかったり、もっと一つ一つを丁寧にやっていかなくてはという反省がたくさんありました。お芝居の仕事をずっと続けさせていただくために、女優としての“ベース”みたいなものを作り直さなきゃなと感じたので、今年はより意欲的に頑張りたいです」
アジアでの人気、主演作『犬鳴村』の好評を追い風に、女優としてさらなる飛躍を目指す三吉彩花。勝負をかける23歳の覚悟が、力強い眼差しにみなぎっていた。
取材・文/編集部