世界初披露となる『刺青』4K復元版など41作品!「若尾文子映画祭」ラインナップが決定
昨年開催された「京マチ子映画祭」、現在全国順次開催中の「市川雷蔵祭」に続き、KADOKAWAが保有する豊富なライブラリー作品を次世代に継承していく「角川シネマコレクション」の劇場上映企画「若尾文子映画祭2020」が、2020年2月28日(金)より東京・角川シネマ有楽町を皮切りに全国順次開催。このたび本企画で上映されるラインナップが決定し、予告映像が解禁された。
1933年に東京都で生まれ、1951年に大映第5期ニューフェイスに合格した若尾文子。『死の街を脱れて』(52)でスクリーンデビューを果たし、翌年には溝口健二監督の『祇園囃子』(53)に抜擢。雑誌の人気投票やブロマイドの販売数で1位を獲得するなどトップスターの仲間入りを果たすだけでなく、小津安二郎監督や市川崑監督、増村保造監督ら名だたる巨匠たちの作品に次々と起用され、その出演本数は160本にも及ぶ。
実に5年ぶりに開催される今回の「若尾文子映画祭2020」では、その出演作の中から彼女の魅力が炸裂している名作・傑作はもちろん、若い世代に向けた“入門編”となる代表作、そして劇場上映される機会はおろかパッケージ化もされていない貴重な作品まで計41作品がラインナップ。その中でも目玉となるのは、実に20作品でコンビを組んだ増村保造監督が66年に手掛けた『刺青』の4Kデジタル修復版。今回が世界初披露となる。
増村監督作品からはほかにも『青空娘』(57)や『赤い天使』(66)など計12作品、溝口監督作品は『祇園囃子』と先ごろ4K復元された『赤線地帯』(56)の2作品に、小津監督の不朽の名作『浮草』(59)も4K復元版で上映。さらに川島雄三監督とコンビを組んだ『女は二度生まれる』(61)と『雁の寺』(62)、『しとやかな獣』(62)の3作品はいずれも4K復元版で上映される。
また前回の「若尾文子映画祭 青春」で好評を博した田中重雄監督の『新婚日記 嬉しい朝』(56)『新婚日記 恥しい夢』(56)、そして『東京おにぎり娘』(61)も要注目。会期中には上映以外にもスタンプラリーやトークショー、展示などの企画が予定されている。是非ともこの機会に、いまなお愛され続ける名女優・若尾文子の魅力を思う存分味わってほしい!
文/久保田 和馬