吉沢亮、憧れのポン・ジュノ監督から演技&美貌を絶賛され「不思議な気持ちです」

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吉沢亮、憧れのポン・ジュノ監督から演技&美貌を絶賛され「不思議な気持ちです」

第77回ゴールデン・グローブ賞で監督賞と脚本賞、外国語映画賞の3部門にノミネートされ、第92回アカデミー賞の有力候補との呼び声も高い『パラサイト 半地下の家族』(2020年1月10日公開)の舞台挨拶付きプレミア上映が27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催。来日中のポン・ジュノ監督とソン・ガンホ、そしてサプライズゲストとして吉沢亮が登壇した。

今年5月に行われた第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画史上初めてパルムドールを受賞した本作。“半地下”の家で貧しく暮らす全員失業中のキム一家の長男ギウが、高台の大豪邸に暮らすパク一家のもとで家庭教師のアルバイトを始める。思いもよらぬ高給に味をしめたギウは、つづけて妹のギジョンを美術の家庭教師として紹介。徐々にキム一家は、パク一家に“パラサイト”していくことに…。

ジュノ監督は登壇するや、上映を観終わったばかりの観客に向けて「まだ映画を観ていない方々がたくさんいますので、外に出られたら後半の展開についての話は絶対にしないでくださいね」と忠告。そして本作について「実際に生きていくなかで裕福な人と貧しい人は別々の場所にいて、お互いに出会う場面というのはあまりない。この映画では、匂いが嗅げるぐらい近い距離にお互いを近付けてみたいという意図がありました」と明かし、前日の記者会見でも語った自身の家庭教師体験について語っていく。

一方で、ジュノ監督とは『殺人の追憶』(03)と『グエムル 漢江の怪物』(06)、そして『スノーピアサー』(13)につづいて4度目のタッグとなったガンホは「監督とは20年間ぐらい一緒に仕事をしてきましたが、作家としても映画監督としても社会に向ける温かくも鋭い眼差しがどんどん発展して、深く広くなっている。それを俳優として見守ることができるのは興味深く感動的です」と絶大な信頼を寄せていることをアピール。そして「次の作品で雨や階段が出てこなければ、是非出演したいと思っています」と茶目っ気たっぷりな笑顔を見せた。

そんななか、自身のカレンダーで『母なる証明』(09)のオマージュを捧げたこともあるほどジュノ監督作品のファンだという吉沢が花束を持って登場。「緊張しすぎてうまくしゃべれる気がしないけれど、うれしいです」と微笑む吉沢は「ここ何年かで観た映画の中で一番、圧倒的なエンタメ感があった。あらゆる要素が完璧に融合されていて、その中に韓国の格差社会も描かれている。絶対観るべき映画だと思いました」と熱弁。

するとジュノ監督は「そうですねー」と日本語で吉沢に語りかけ、「実際の映画よりも素敵なものに感じました。ところで、ご自身がイケメンだと気付いたのは何歳の時ですか?」と質問。それには吉沢も「小学5年生です」と即答。さらにジュノ監督が「4年生の時までどうして気づかなかったんですか?」と質問するなど、ユーモアたっぷりのやり取りで会場を沸かせていた。

またジュノ監督は、親交のある行定勲監督がメガホンをとった『リバーズ・エッジ』(18)で吉沢の演技を見ていたことを明かし、「素敵な青春を演じられていると思いました」と絶賛。それには思わず「見てもらっていたなんて不思議な気持ちですね…」とはにかむ吉沢。いつかジュノ監督と国境を越えて仕事ができるように「お願いします!」と深々と頭を下げると「夢のような日が来ればうれしいです」と期待を込めて抜群のスマイルを贈っていた。

取材・文/久保田 和馬

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