一緒に登下校、片想い…『記憶屋 あなたを忘れない』山田涼介と芳根京子の“幼なじみ”感が尊い!
シリーズ累計50万部超えの織守きょうやの小説を映画化した『記憶屋 あなたを忘れない』(公開中)は、『ツナグ』(12)やドラマ「義母と娘のブルース」などの平川雄一郎監督が手掛ける、“失われた記憶”を巡る感動のヒューマンドラマだ。そんな本作で、Hey! Say! JUMPの山田涼介と若手実力派の芳根京子が幼なじみ同士の主人公とヒロインを演じている。2人が体現するこの“幼なじみ”感が絶妙なのでフォーカスしてみたい。
恋人から失われた自身に関する記憶を取り戻すべく、東京に暮らす大学生の青年・遼一(山田)が“記憶屋”と呼ばれる、人の記憶を消すことができる都市伝説を追う物語が展開される本作。遼一と兄妹のような仲の良さを見せているのが、彼の幼なじみ・真希(芳根)だ。
幼少期の遼一は広島に住んでいたのだが、2人はそのころから一緒に育ち、遊んでいた関係。物語開始時点では真希も上京し、遼一と同じ大学に通っていて、しかも彼の実家の近所に下宿している…。など、どこか漫画やアニメで見たような、誰もがうらやむ(?)設定で幼なじみ特有のやり取りが交わされている!
例えば、朝部屋で寝ている遼一を「おばさん(遼一の母)に頼まれたから」という理由で真希が起こしにやって来るのは序の口。その後も一緒に朝食を囲んで登校し、2人で下校しようと校内で真希が遼一を探す場面も登場するほか、2人きりで彼の部屋で過ごすこともしばしば。呼び方はもちろん、「真希」と「遼ちゃん」で、その親密ぶりがうかがえる。さらに、真希が遼一を事あるごとに気にかけ、子犬のように慕っているのに対し、遼一自身は「何で勝手に部屋に入って来てんだよ」という感じで(口上では)めんどくさそうにしている姿がまたにくい…。近くに壁があれば、思わず“くーっドンドン”と叩きたくなる尊さなのだ。
しかし、過去の多くの作品がそうであるように、幼なじみという設定には負けフラグがつきまとっている。明らかに真希が遼一に好意を寄せているのに対し、前述の通り、彼女をかわいい妹ぐらいにしか思っていない遼一には結婚を約束した恋人が…。そして、その恋人の記憶を取り戻すために真希が彼に協力するなど、せつない一面も描かれるのだ。
2人の関係ばかり言及してきたが、本作のメインストーリーは“記憶屋”とは一体何者なのかということ。実は、真希も幼少期の記憶を失っており、そのことが遼一の求める真実に大きく関わることに。果たして、遼一は記憶屋を見つけだし、恋人の記憶を取り戻すことができるのか?そして、真希の片想いの行方は?その答えはスクリーンで確かめてほしい。
文/トライワークス