花を愛おしむ田中圭の視線が美しい…今泉力哉監督作『mellow』で魅力全開!
テレビドラマ「あなたの番です」や「おっさんずラブ-in the sky-」などに主演し、昨年末の第70回NHK紅白歌合戦では“2019年の顔”として審査員まで務めた田中圭。いま勢いに乗る彼が、現在公開中の最新主演映画『mellow』では、心優しい花屋の店主に扮している。今作で、田中は一体どんな表情を見せているのだろうか。少しだけのぞいてみよう!
本作は、『愛がなんだ』(19)をヒットさせた恋愛映画の名手、今泉力哉監督が、オリジナル脚本で贈る恋愛群像劇だ。街角にひっそりとたたずむ花屋“mellow(メロウ)”を舞台に、実らない恋心を抱える人々が、ちょっぴり滑稽で温かな交流を重ねていく。
田中が演じるのは、一人で花屋を営む、独身の夏目誠一。黒をベースとしたシックな装いの店内に、品の良い花を並べており、彼の店は近所でも「街一番のオシャレな花屋さん」と評判だ。片想い中の女子中学生、亡き父に代わってラーメン屋を切り盛りする若い女店主、不登校気味の姪っ子など、様々な常連客が訪れる。
いつも穏やかな笑顔を絶やさない夏目は、花にも人にも真心を込めて接している。花束を求める客に「贈る方のこと少し聞いてもいいですか、良い花束を作るために…」とそっと声をかけたり、真剣な眼差しでバラの花を一輪ずつ丁寧に包んだりと、その真摯な夏目の仕事ぶりは好感度抜群だ。
一方、姪っ子とラーメンをおいしそうにすする、居合わせたカップルの別れ話に涙するなど、少年のような純真な部分も。人間味あふれる素敵な夏目に癒されてしまう!
今泉監督は、今回初タッグとなった田中に対し「アイデア段階ではこんなにモテる予定じゃなかったんだけどなあ」といたずらっぽくコメントするなど、彼が演じることで夏目という役柄が膨らんでいったと明かしている。親しみやすさと大人の色気をあわせ持つ田中圭の魅力が一際引き立った本作を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。
文/トライワークス