カンヌ国際映画祭に初参加の瑛太「人は自分の家族のためにどこまでできるのか考えさせられた」
市川海老蔵&瑛太出演で「異聞浪人記」を3D映画化した『一命』(10月公開)が、第64回カンヌ国際映画祭にコンペティション部門出品作品として、現地時間5月19日、公式記者会見とレッドカーペットに、主演の瑛太、三池崇史監督、プロデューサーのジェレミー・トーマスらが登場した。
記者会見では、世界中から集まったマスコミ総勢180名(記者150人、スチール・ムービー30台)との間で、活発な質疑応答が行われた。本作で自身初めてとなる3Dに挑戦した三池監督は、「日本独特の狭い空間にある奥行きを3Dの技術を使い、撮影したいと思いました。一日一日、撮影を日々積み重ねることにより、映画は生まれ、その結果、このような映画祭に参加することができ、嬉しく思います」と、3Dでの完成を喜んだ。市川と共に主演を務める瑛太は、「家族を守るために自分の命を懸けた男・求女を演じ、人は自分の家族のためにどこまでできるのか、僕自身考えさせられました」と感慨深い表情を見せた。撮影を振り返り、「三池監督の撮影現場はとても厳しいという印象を受けていましたが、実際はユーモアがたくさんある方で、僕の質問にも丁寧に答えてくれました。(監督から)常に瑛太はどんなのものが出せるのかといつも問われている気がして、緊張の連続でした」と三池監督の印象を語った。その瑛太と市川について、三池監督は「海老蔵さんの“形”で作る演技と、瑛太さんの“感情の揺れ”が生む演技の出会いがありました。それは私が持っていないものでした」と語った。プロデューサーのジェレミー・トーマスは「本作は日本人の礼節や威厳を描いており、時代設定は江戸時代ですが、現代にも通じる精神のあり方を描いています。日本では最近、震災という惨事が起こり、そこに立ち向かう姿が報道でも伝えられています。この映画は、世界の人にとっても、人としての誇りを失わないという生き方が模範にもなるのではないかと思います」と本作を紹介した。
その後、行われたレッドカーペットでは、初のカンヌ国際映画祭という大舞台に立てて緊張と興奮気味の瑛太らキャストが車から降りた瞬間、国内外の多数のカメラマンたちからフラッシュを浴び、本作の注目度がうかがえるセレモニーとなった。【Movie Walker】