手をつないだ男女2組がバトル! 異色格闘技アベックって何だ?
実在のボクサーの生き様を描いた『ザ・ファイター』(11)や、シルベスタ・スタローン主演の『ロッキー』(77~07)シリーズといったボクシングもの。また、ミッキー・ローク演じる落ちぶれた中年レスラーの悲哀を描いた『レスラー』(09)に代表されるプロレスものなど、これまでに様々なジャンルの格闘技映画が登場したが、誰も見たことのない架空の格闘技をテーマにした映画が登場する。
それが6月18日(土)から公開となる異色の青春スポ根ムービー『アベックパンチ』に登場するアベックだ。ルールは簡単、手を握り合った男女が相手ペアとリング上で戦い、どちらかが手を離してしまったら負け、というもの。「そんなの簡単だよ!」なんて思う人もいるだろうが、体格差や身長差のある男女がリング上で相手から攻撃を受けながらもずっと手をつなぎ続けるのは意外と、いやかなり困難なものだ。
同作は、月刊コミックビームに連載され、一部でカルト人気を博したタイム涼介による同名マンガを実写映画化したもの。原作のファンだったという監督の古澤健は、コミックに描かれた架空の格闘技を映画として違和感なく見せることに苦労したと明かしながらも、アベックが実在のスポーツとして誕生したと自信を見せている。
そんな本作はアベックに打ち込む男女4人の成長をストレートに描き出している。単純なタッグマッチとは違い、パートナーとの絆の深さが勝敗に大きく影響するアベックを通して、不器用な若者たちが変わっていくという設定は奇抜だが、描かれるのは至って正統な青春ドラマだ。パンチの効いたストーリーにノックアウトされるかも!【トライワークス】
作品情報へ