金子みすゞの詩を宣伝に用いた『光のほうへ』に各界、著名人から絶賛コメントが!
幼い弟の死を受け入れられず、心に深い傷を残したまま大人になった兄弟の物語『光のほうへ』(6月4日公開)のチラシや宣伝物には、偶然にも東日本大震災以降、CMで使用され、注目を集めている詩集「金子みすゞ童謡集・わたしと小鳥とすずと」に収められている「明るいほうへ」が使用されていた。
絶望の中からでも一歩踏み出せば見える希望を描いている世界観が通ずるものがあるとのことだ。今、日本が求めているものが本作の中に隠されているかのように、各界、著名人から本作へのコメントが寄せられている。
『ゆれる』(06)や『ディア・ドクター』(09)の西川美和監督は、「“愚かさとその代償”という、人間が逃れられないテーマに真っ向から組み合った作品だ。 描かれている心情や行動、全てがナチュラルで、驚くほど国の遠さや文化の隔たりを感じない。身を切られるような気持ちで彼らの旅路を見つめながら、“光のほうへ”と祈っていた」と評価する。虐待を受けて育った兄弟の成長後をリアルに描いている本作に、原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子は。「アルコール、薬物依存症、性犯罪が世代を超えて連鎖していく非情さゆえに、その中にたった一つの希望の種がまかれることの希少さが心にしみる。見終わった後、題名通り、光のほうに向かおうとする明るさだけが残る」と、感慨深く語っている。デンマークは“社会福祉の先進国”とも言われているが、ジャズシンガーの綾戸智恵は「人の心は世界みな一緒や。なんぼ社会福祉が整った国でも落とし穴はある。人に必要な物は、キズナ。共に、少し引き合う心とちゃうか」と訴えかけている。
金子みすゞの詩が収められているこの詩集は、東日本大震災以降、既に完売し、追加の注文も殺到しているそうだ。宣伝に使用されているこの詩は、本作のオフィシャルサイトでも掲載されているので、是非、金子みすゞの力強い詩を読んでもらいたい。【Movie Walker】