GG賞で毒舌司会の英コメディアン、本年度オスカーにも激辛コメント!
先月5日に第77回ゴールデン・グローブ賞授賞式で司会を務め、毒舌スピーチが大ウケだった英コメディアンのリッキー・ジャーヴェイス。ポリティカル・コレクトネス重視の世相をものともせず、「みんな内心はこう思ってるんだろ?」と挑発するようなジョークの連発に、多くの視聴者が快哉を叫んだ。
一方、今月9日に開催された第92回アカデミー賞授賞式は、昨年に引き続き特定の司会者を起用せずに行われた。「もしリッキーが司会を務めていたら…」とは誰もが思うところだが、この質問を直接本人に投げかけたファンがいた。ツイッターで「もし今晩のオスカーで司会をしていたら、出だしはどんなジョークでしたか?」と質問されたリッキーは、この問いに即座に反応。リッキー版の仮想スピーチを披露した。
「皆さんから”平等”についての感動的なスピーチを聞くのが待ちきれません。あなた方の家で低賃金で働いている移民のお手伝いさんたちは、皆さんが今夜この会場にいる3時間のあいだだけ、今週はちょっと寝る時間ができるんですから素晴らしいですよね!」
「今夜この会場で、こんなにすごい“多様性”を見ることができてうれしいです。ありとあらゆる形やサイズの、リッチなセクハラ人間たちが勢ぞろいしてますからね」
これらの“仮想スピーチ”を連投すると、一般のネットユーザーたちからまたも大好評で、「お願いだからオスカーの放送中に実況ツイートをして!」と頼み込むファンもいた。リッキーはこの連続ツイートのあと、自身が主演しているTVドラマ「After Life/アフター・ライフ」の宣伝をしたのだが、こちらもかなり辛らつな内容だ。
「アメリカ人のみんな!今夜はNetflixで『After Life/アフター・ライフ』を見まくってくれよ!このドラマは、慈善なんて胸くそわるいナルシスト病だと気づいた男が、怒りと落胆で生きる意欲を失う話だ。このドラマを見るんじゃなきゃ代わりにオスカーを見て、この感覚を直接、実際に体験してくれ」
リッキーの発言を引き合いに出すまでもなく、多様性の尊重や平等を求める著名人たちの主張は、近年最大のトレンドのひとつだ。今年のオスカーでは、受賞スピーチでトランプ大統領の弾劾裁判を皮肉ったブラッド・ピットや、人道主義と動物愛護を強く訴えたホアキン・フェニックス、監督賞候補に女性が選出されなかったことへの抗議の意を込め、ノミネートされなかった女性監督たちの名を刺繍した衣装をまとったナタリー・ポートマンなどの“政治的主張”が注目を集めた。
とはいえ、ポリティカル・コレクトネスにしばられた式典ともなれば、退屈がる人々やアレルギー反応を示す視聴者も出てくる。今年のオスカーの視聴率(米国内)が史上最低だったこととこれらの傾向を結び付ける向きもあるが、分析の正否は別として、リッキーは一連のツイートを次のように締めくくっている。
「世界でもっとも著名な人々に対し、私はなんの反感も抱いていない。彼らが自分たちの特権である“地球規模の演壇”を利用して、自らの信念を世界中に伝えることに、反対しているわけではないんだ。もっと言えば、彼らの主張のほとんどには賛同しているぐらいだよ。私はただ、彼らに警告したいだけなんだ。そういうお説教を毎日すると、(一般の)勤勉な人々には逆効果になるってことをね。ピース!」
UK在住/シャオ