ハードな撮影中でも台湾を満喫!?モトーラ世理奈が最新主演作『恋恋豆花』の裏側を語る
また、一緒に旅をする微妙な関係の綾役を演じた大島葉子とも、実際はとても仲がよかったそうだ。「葉子さんとはすごく仲よくさせてもらって、友だちみたいな感じになれたのがうれしかったです。葉子さんは何回も台湾に行ったことがあるので、現地を案内してもらったり、撮影以外でも2人でいる時間が多かったです」。撮影はかなりハードスケジュールだったそうで、「“超ゲリラ撮影”というか、毎日みっちり撮影していたんですけど、毎日いろんなところを観光できて、おいしいものを食べて…とハードなのかハードじゃないのかわかんないという感じでした(笑)」と笑顔で語る。「台北、台中、九份の3か所をわりと短い期間でギュッと回らなきゃいけなかったので、撮影では行く予定がないけれど、行きたい場所がたくさんあって、葉子さんと『いつ行けるかな?』って話していました」と機会をうかがっていたそうで、「『じゃあ、30分で戻ってきてね』と今関監督に言われて、2人で急いで買い物したり、おいしい豆乳を売っているお店にダッシュで買いに走ったり…。そういうことができて楽しかったです」と、撮影の合間も充実した時間を過ごしていたよう。
タイトルにもなっている“豆花”を始めとした、台湾の魅力的なスイーツやグルメがちりばめられているのも本作の大きな魅力。奈央が台湾グルメを食べまくるシーンでは、とてもおいしそうに食べるモトーラの姿が印象的だが、「ホントにおいしいから、“ホントにおいしい顔”をしちゃうんです」と笑う。なかでも特にお気に入りなのは「イカの団子のスープ」だったそうで、「もちろん豆花もすごくおいしかったんですけど、やっぱりイカの団子のスープが一番かな。魯肉飯などを提供しているごはん屋さんって、だいたい優しい味のスープがお店にあるんです。つみれとか、魚介の団子が入った塩味のあっさりしたスープなんですけど、それが大好きで。今回の台湾ロケで一番忘れられない味ですね」としみじみ。また、撮影中あちこちの観光地を回って、お気に入りの場所も見つけたという。「九份は、以前に友だちともプライベートで行ったことがあったし、もちろん夜もきれいなんですけど、朝の九份がすごく好きでした。展望台があるんですけど、そこがすごく好きで、朝そこに行ってひとりで豆乳を飲んで、『気持ちいいな〜』って(笑)」。
本格的に女優活動を始めてからまだ日も浅いが、『少女邂逅』(18)で長編映画初主演を務め映画デビューしてからというもの、『21世紀の女の子』(18)、『おいしい家族』(19)、映画&ドラマ『ブラック校則』(19)と出演作が続き、2020年には本作を始め、諏訪敦彦監督の『風の電話』、シルク・ドゥ・ソレイユでバイオリニストと音楽監督を務めるポール・ラザーと共演した『Memories』と主演作が目白押し。順風満帆な女優活動を送るモトーラは「ずっとお芝居がやりたかったんです。もちろんモデルもやりたかったけど、やっとお芝居をスタートできた、という感じ。『少女邂逅』で初めて映画に出演させていただいてから『映画をやりたいな』って思うようになったんです」と明かす彼女は、「わからないことがたくさんあって。まだまだ勉強中です。でも、自分自身でもいろんな自分を見てみたいし、いろんな役に挑戦してみたい。海外にも行ってみたいですね」と、これからの活動にも意欲を見せていた。
最後に作品の見どころを聞いてみると、「最近なかなかなかった映画というか、たぶん観てくださった多くの人に、どこか豆花みたいな柔らかい、ほっこりした温かさを残す作品になったんじゃないかなって思っています。そういうのって、普段の生活のなかではなかなか得られない。『この映画を見た気持ちをちょっとポケットにしまっておこう』みたいな、そんな感覚になれるかわいらしい作品だと思います」と、はにかむような笑顔を見せながら答えてくれた。
取材・文/オチアイユキ