キス寸前!再会した男女が愛欲に溺れていく人妻・夏帆に思わず共感!?<写真12点>
『天然コケッコー』(07)で日本アカデミー賞新人賞するなど10代からキャリアを積んできた夏帆と、『悪人』(10)で同映画賞最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木聡が初共演を果たした『Red』(公開中)。偶然の再会から愛欲に溺れていく男女を描くセンセーショナルな作品だが、劇中には、思わず共感してしまうようなシチュエーションやセリフが散りばめられている。
直木賞作家・島本理生の同名小説を原作とする本作。一流商社に勤める夫・村主真(間宮祥太朗)とかわいい娘と共に何不自由なく暮らしている専業主婦の塔子(夏帆)が、10年ぶりにかつての恋人と再会したことをきっかけに、自分の生き方や愛するもの、大切なものを見つめ直すというストーリー。原作とは異なる映画オリジナルのラストが展開する。
夏帆扮する塔子はある日、真に連れられて格式高いパーティに参加する。仕事の付き合いで参加している真から先に帰るように促され手持ち無沙汰になった彼女は、そこで10年前に愛した男・鞍田秋彦(妻夫木)を見かける。不意打ちで現れたその懐かしい姿に、塔子はつい追いかけてしまい…。そんな“運命”を感じさせるようなロマンティックなシーンを、夏帆が持ち前のナチュラルな演技で体現している。
再会を果たして離れていた時間を埋めるように話す塔子と鞍田。幸せに暮らしているものの、心のどこかで“働きたい”と思っている塔子に対して「…君は、変わってないな」という言葉をかける鞍田。彼女の本心を汲んで自分と同じ職場を紹介する、鞍田が持つ鋭い洞察力には、思わずドキッとしてさせられてしまう。
同じ職場で働き始めた2人。車を走らせていると、たまたま2人の思い出の曲「Hallelujah」がラジオから流れてくる。偶然とはいえ、楽しかった思い出や過ごした時間が甦り、忘れていた感情を思い出してしまう塔子。離れようと決意するたびに優しくしてくる鞍田に、「ずるいです。あなたがひどい人だってことを忘れそうになる」と話さずにはいられないほど、どうしようもなく惹かれてしまう塔子の姿に、いくつも恋を経験してきた人ならついうなずいてしまうことだろう。
このほかにも、鞍田の趣味である家の模型作りを塔子が手伝い、“理想の家”について語りながら息の合った共同作業を行ったりと、仲睦まじい2人の姿も描かれる。大切なパートナーと家族がいて、ダメだとわかっているのに、どうしても惹かれてしまう…。そんなもどかしい2人の恋の行方を、ぜひ映画館で見届けてほしい!
文/トライワークス