ハリソン・フォード、『野性の呼び声』出演は“運命”?演じてきた役柄の共通点とは
『ヒックとドラゴン』(10)のクリス・サンダース監督がハリウッドを代表する名優ハリソン・フォードを主演に迎え、実写映画初監督に挑んだ『野性の呼び声』(2月28日公開)。このたび本作から、主人公ソーントンが重なるかのようなハリソンと愛犬との絆にまつわるエピソードを入手した。
100年以上にわたり読み継がれ、これまで何度も映像化されてきたジャック・ロンドンの名作冒険小説を原作にした本作。砂金採掘師のソーントンは、ある日傷ついたイヌのバックと出会う。やがて強い絆で結ばれるようになったソーントンとバックは、地図にない地を目指して旅に出るのが、その行く手を大自然が阻むことに…。
本作でハリソンが演じるソーントンは大切な息子を失い独りで生きていたが、バックと出会い、共に大自然を冒険することで強い絆を育んでいくという役どころ。「私の人生には常にイヌの存在がありました」と振り返るハリソンは、「映画のなかで、“私が飼っていたイヌも同じようなことをしていたな”と思い出させてくれる瞬間がありましたね」と、思い出を重ね合わせながら演じていたことを告白。ハリソンの代表作でもある「インディ・ジョーンズ」シリーズの主人公、インディアナ・ジョーンズ博士の名前も、インディの幼少期の飼い犬に由来している。
また、サンダース監督も「ハリソンは本作の企画に参加してくれることになった当初から、ソーントンとバックの関係に彼自身の経験や感情の波長を注ぎ込んでくれました」と明かし、「僕らは最初の段階から、ひざを突き合わせて深い話をしました。彼は見事に物語に飛び込んでいて、“私ならこういう風に語る”という話をしてくれたんです」とハリソンの本作にかける熱量を称えた。
現在も3匹の子犬を飼っているというハリソンは、「バックとソーントンとの間に感情的なつながりがあるからこそ、この物語は素晴らしいものになっている」と、自身の経験が活かされたことで深みが増した“言葉の壁を超えた絆”に、確かな自信をのぞかせる。是非とも劇場で、ソーントンとバックの絆と冒険の物語をじっくりと味わってほしい。
文/久保田 和馬