いまこそ見たい、「ビバヒル」愛をりゅうちぇるが語る!「ビバヒルを見ないで90年代のファッションを語らないでねって思ってます(笑)」
「オリジナルの“ビバヒルメドレー”を聴くと、テンションが上がるんです」
特に好きなエピソードは「シーズン1の16話『明日のスターを夢見て』で、ブレンダがピーチ・ピットでブランドンの代わりにバイトした時に、ケリーとドナと3人がキッチンで踊るシーンがあるんですけど、それがめちゃくちゃかわいくて大好きです!」と話すりゅうちぇる。「ビバヒルのなにが好きって、流れているBGMとか、みんなでダンスを踊るシーンの曲のセンスが絶妙によくて。僕、どんなに内容がよくても、服やBGMがダサかったら作品を見続けられないんですけど、ビバヒルはそういう意味でも、自分のなかでドンピシャなんです」と本シリーズで使われる音楽も絶賛。
劇中に出てきていいなと思う曲があったらすぐに音楽認識アプリを駆使して曲を探し、オリジナルの“ビバヒルメドレー”を作るそう。「それを聴くと、ビバリーヒルズの高校生になった気分になってテンションが上がるんです」と、生活にあった楽しみ方もエンジョイしていると明かした。
ほかにも好きな海外ドラマは数多くあり、なかでも「glee/グリー」については、「主人公のレイチェルの名前から“チェル”をとって、“りゅうちぇる”にした」と言うほど影響を受けたんだそう。
「『glee/グリー』は、観ていなかったら、いまの自分はなかったと思うぐらい自分を作ってくれた作品。いろんな悩みを抱えた人たちが歌を通して悩みを乗り越えていくストーリーなんですけど、僕も学生時代から個性的というか、協調性ゼロでハデな感じだったので、みんなと違うことでからかわれたりすることも多くて。みんなと違うのは自分がこんな風に生まれてきたから悪いんだとか、なんでみんなと同じに生まれなかったんだろうって自分を責めてばかりいたんです」。
てっきり、子どものころからずっと明るくてポジティブなキャラクターだとばかり思っていたのだが、意外にも学生時代には周りからからかわれて悩んだ時期もあったと明かすりゅうちぇる。「でも、『glee/グリー』の『Loser Like Me』という曲に、みんな私のこと負け犬っていじめるけど、大人になって私がみんなと違うおかげで才能が開花したら、負け犬のことが羨ましくなるよっていう内容の歌詞があるんです。それを聴いて、もう鳥肌が立って!負け犬でいいんだじゃないけど、みんなと違うことってすばらしいんだって考えが変わったんです」
歌を大切にするようになったのも「glee/グリー」のおかげだそうで、現在の音楽活動についても「『glee/グリー』を観ていなかったら、歌を出してなかった」と断言。「僕、ずっとハッピーな感じに見られてるんだけど、実はそう見せていて。だけど、歌ではハッピーになるためのバックグラウンドがちゃんとあったんだよっていうことも伝えたい。歌にパワーがあるなんて『glee/グリー』を見るまで知らなかったけど、メロディを通して歌詞が心に響いて、歌にすごいパワーがあることを知ることができたんです。だから、僕が『glee/グリー』にキッカケをもらったように、自分もカッコつけていない、偽りのない歌詞で人に影響を与えられるような歌を歌っていけたらなって思います」と目を輝かせる。
それにしても、これだけの影響を受けるほど海外ドラマが好きなら、出てみたいとは思わないのだろうか。そう聞いてみると、「それはない」とこちらも断言する。「海外ドラマを観て一番勉強になったのが、“自分を大切にする”とか、“自分は自分だ”っていうことなんです。だから、いまから“誰かになる(役を演じる)”ことよりも、自分の仕事は“自分を伝える”ってことかな、って。だから“りゅうちぇる役”としての出演なら考えるけど、そんなのないから(笑)。いまはまず、自分をもっと発信していくことを大切にやっていきたいなって思います」
「“違う人生が待ってる”“違う人生をくれる”と思ってぜひハマってもらえたら」
ビバヒルのオリジナルキャストが約20年ぶりに集結したことでも話題になった、現在Huluで独占配信中のシリーズ最新作「ビバリーヒルズ再会白書」は、「『ビバリーヒルズ高校白書』が好きすぎて逆に観ることができない!」と言うほどの“ビバヒルフリーク”であるりゅうちぇる。まだ、ビバリーヒルズに行ったことはないそうだが、もし行ったらドラマゆかりの地にも足を運ぼうと思っているんだとか。「みんなベニスビーチによく行くから、ベニスビーチには絶対行きたい。スティーブみたいに僕もベニスビーチでローラースケートをしてみようかなあって思ってます」とうれしそうに話してくれた。
最後に、これから“ビバヒル”シリーズを観ようと思った人たちに向けてメッセージをもらった。
「人間関係や恋愛の悩みはいまも昔も変わらないと思うけど、いまと違ってSNSがないぶん、もっとピュアでめちゃくちゃすてきなので、そういうところも楽しんでもらえたらいいですね。絶対、なんらかの形で人に影響を与えるドラマだと思うので、“違う人生が待ってる”“違う人生をくれる”と思ってぜひハマってもらえたらなと思います」。
「ビバリーヒルズ高校白書」「ビバリーヒルズ青春白書」を始めとした“ビバヒル”シリーズ(「新ビバリーヒルズ青春白書」「ビバリーヒルズ再会白書」の全4作)は、現在Huluで配信中。新生活が始まる人も、自宅でゆっくり過ごす時間が増えた人も、この機会にイッキ見してみてはいかがだろうか。
取材・文/落合由希