華麗な手さばきで人肉を調理!?“北欧の至宝”が扮するハンニバルの色気に迫る!<写真19点>
人肉を華麗に調理!食事シーンの秀逸さ
このほか、マッツ版“ハンニバル”の特長として挙げられるのが、そのたたずまいや、所作一つ一つの美しさ。特に、ハンニバルが様々な料理を作り、恍惚の表情を浮かべながら口にするシーンが劇中に何度も登場するが、食材の下ごしらえや包丁さばき、盛りつけまで一切の無駄がなく、ため息が出るほどに完璧なのだ。しかし、料理で使用される肉は、彼によって殺められた犠牲者たち…。
ハンニバルは殺人を犯した際に、その体の一部を戦利品として持ち帰り、切り分けて保存し、ソーセージなどに加工することもある。まな板の上に肺や心臓を置いたかと思えば、見事な手さばきで下処理をしていき、その様子は芸術性すら感じさせる。彼が扱うのは内臓ばかりではない。ある時は、生きたまま獲物のひざ下を切断し、その肉をスパイスと共に葉や粘土で包み、オーブンでジューシーな焼き料理にしてしまう。そして、その料理を足の持ち主に振る舞うという奇行からも、彼のサイコパスぶりが伺えるのだ。
マッツの本領発揮!?痛々しい…格闘&拷問シーン
ハンニバルとウィル、FBIや殺人犯たちとの心理戦が中心となる本作だが、過去作で数多くのアクションを披露してきたマッツだけに、生々しいバトルシーンも描かれている。
一見、インテリなハンニバルだが、どこで覚えたのか格闘戦も得意。大柄なジャック相手に互角以上の戦いを繰り広げ、複数の男を相手にしても怯むことなく応戦している。その戦いぶりも、包丁やタオル、冷蔵庫のドアなど周囲にあるものを効率的に使用し、元外科医という経歴から人体の構造を熟知しており、急所を的確に攻撃し、大腿部への一撃で敵を死へといざなうことも。
無敵に思えるハンニバルだが、時には敵の手中に落ちてしまう。不意打ちで捕らえられた際には、両手首を切られた状態で首に縄をかけられ、不安定なバケツの上に立たされるという陰湿な拷問を受けている。マッツと言えば、拷問されるキャラクターも大勢演じているので、そういう意味では、彼の魅力が味わえる本作の見どころの一つと言えるだろう。
ヨーロッパの良作から、近年は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)や『ドクター・ストレンジ』(16)といったハリウッド大作でも活躍するマッツ・ミケルセン。そんな彼の一番のハマり役とも呼び声高い、ハンニバル・レクター博士の不気味な妖艶さを、本作でじっくりと味わってほしい。
文/トライワークス(平尾嘉浩)
発売中
価格:23,800円+税
発売・販売元:株式会社KADOKAWA