深作欣二と小松左京が現代に投げかけるメッセージ…伝説のSFパニック大作『復活の日』が蘇る!

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深作欣二と小松左京が現代に投げかけるメッセージ…伝説のSFパニック大作『復活の日』が蘇る!

「仁義なき戦い」シリーズや『バトル・ロワイアル』(00)など幾多の傑作を世に送りだしたバイオレンス映画界の巨匠、深作欣二監督がメガホンをとったSFパニック大作『復活の日』(DVD&Blu-ray、デジタル配信も好評リリース中)が、4月10日(金)より新宿ピカデリーとなんばパークスシネマにて2週間限定で上映されることが決定した。

4月10日(金)より新宿ピカデリー、なんばパークスシネマにて上映される
4月10日(金)より新宿ピカデリー、なんばパークスシネマにて上映される[c] KADOKAWA 1980

日本を代表するSF作家の一人である小松左京の同名小説を原作にした本作は、1980年の日本公開作品では『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)と黒澤明監督の『影武者』(80)に次ぐ大ヒットを記録。日本の隊員たちを演じた草刈正雄、渡瀬恒彦、夏八木勲(夏木勲名義)、千葉真一ら豪華俳優陣はもちろん、アカデミー賞俳優ジョージ・ケネディや『ロミオとジュリエット』(68)で日本でも人気を集めたオリヴィア・ハッセーなど、国際的なキャストが集結したことでも大きな話題を集めた一本だ。

細菌兵器「MM88」によって全世界がパニックに陥り、南極大陸に残された863人を残して人類が死滅。それから1年後、南極で地震研究をつづけていた吉住はアメリカ東部地震を予測し、地下に眠っていたミサイル自動報復システムが作動してしまうことを予期する。それを阻止するため、アメリカ隊のカーターと共に廃墟と化したワシントンに向かった吉住。しかし寸前に突発地震によってシステムが作動し、ミサイルが発射されてしまう。奇跡的に助かった吉住は一路の光を求め、南極に向けて歩きはじめることに…。

【写真を見る】本作公開の1980年、29歳で布施明と結婚して話題となったオリヴィア・ハッセー
【写真を見る】本作公開の1980年、29歳で布施明と結婚して話題となったオリヴィア・ハッセー[c] KADOKAWA 1980

現在世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスによって引き起こされている様々な危機的状況を予期し、また警告していた作品として、期せずして再注目を集めることになった本作。自身も第二次世界大戦という危難を生き抜いた深作監督が込めた、人間の業の深さや貪欲なまでの生のエネルギーが前面に押しだされた壮大な物語は、40年以上を経たいまでも、色褪せるどころかその価値を高めているといえよう。

いまだ先の見通せない状況が続いているなかではあるが、DVDやBlu-ray、デジタル配信など、劇場に行けなくとも様々な鑑賞手段がある本作。また原作も角川文庫から絶賛発売中となっているので、是非ともこの機会に2人の巨匠が本作に託し、そして現代に問いかける力強い“復活”へのメッセージをとくと受け止めてほしい。

文/久保田 和馬

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