50歳を迎えたジョージ・クルーニーの寡黙な殺し屋姿がダンディすぎる
『オーシャンズ』シリーズでの泥棒役、はたまた『オー・ブラザー!』(01)や『バーン・アフター・リーディング』(09)などのコーエン兄弟監督作などで見せる、話術に長けたコミカルな役で強い印象を残す名優ジョージー・クルーニー。プライベートでは数々の美女と浮名を流すプレイボーイぶりもそのイメージをさらに強くしているが、最新作『ラスト・ターゲット』(7月2日公開)では、これまで演じてきた役とはイメージを一変させる新たな面を見せてくれる。
本作でクルーニーが演じるのは、長年、裏社会に生きてきた孤高の暗殺者ジャック。イメージを一変させる、と言ったのは、彼が寡黙で口数の少ない男だからだ。体力維持のため、ひたすら室内でトレーニングに打ち込む姿や、依頼を受けた狙撃用ライフルを造る工程が淡々と映し出される様子は、逆に変な緊張感を生み出す。いつもなら、ここで軽妙なセリフが飛び出すところだが、今回はそんな雰囲気を微塵も感じさせないのだ。
そうは言いつつ、劇中では美女とのロマンスもしっかり描かれる。ここでは高倉健ばりに「自分、不器用ですから」というわけではなく、きちんとデートに誘ったりもするので、そういうところはいつものクルーニーらしい部分もある。
背中に蝶のタトゥーを入れ、華麗に仕事をこなす姿はまさにダンディそのもの。誰もが認める名優も今年で50歳となるが、そんな彼が見せる新境地に是非とも注目してほしい。【トライワークス】
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