売上すべてをクリエイターに還元!インディーズ映画配信サイトは“映画界の救世主”になれるか?
新型コロナウイルスの感染拡大により、新作映画の公開延期や撮影スケジュールの見直しなど、映画制作者にとって悩ましい状況が続いている。そんななか、インディーズ映画の動画配信を行ってきた“DOKUSO映画館”が、4月の売上の100%をクリエーターに還元することを決定した。
DOKUSO映画館は、月額980円(税込)でインディーズ映画が好きなだけ観られる、サブスクリプション形態の動画配信サービス。今年1月23日よりサービスを開始し、“クリエーターファースト”を掲げて上映手数料0円、全体の売上の35%を視聴時間に応じて分配するシステムで3月まで運用してきた。
新型コロナウィルスによる映画業界への甚大な影響を受けて4月に入り始まった利益還元の仕組みは、これまで35%としていたクリエーターへの売上分配を100%にするというもの。つまり、あるユーザーが4月中に1時間の映画を5本、計5時間視聴した場合、それぞれのクリエーターにユーザー利用料の5分の1に相当する196円ずつが分配されることになる。現在は4月中の適応がアナウンスされているが、筆者が運営会社に確認したところ、5月も100%還元の形態を実施できるように目下調整中とのことだった。
クリエーターにとっては費用負担なく作品を発表でき、さらには収益化の足掛かりにもなる本サービス。そのラインナップには今泉力哉監督が死生観をテーマに描いた群像劇『退屈な日々にさようならを』(16)や、若き日の高橋一生がヒロインの恋人役を演じたラブロマンス『マリッジリング』(07)などがあり、毎週木曜に複数本ずつ新作も追加されている。映画館での上映見通しが立てにくいいま、個人のクリエーターはもちろん中小映画会社にとっても心強い味方となるだろう。
新規登録したユーザーは初回31日間の無料体験ができるため、「インディーズ映画っておもしろいの?」となんとなく敬遠してきた人にこそオススメしたい本サービス。映画館にふらっと立ち寄ることもなかなかできないいまは、こちらで新たな刺激に出会ってみてはいかがだろうか?
文/トライワークス