【今週の☆☆☆】若きディカプリオの危険な旅『ザ・ビーチ』にSW初のドラマシリーズ「マンダロリアン」…週末観るならこの作品!
Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週も、映画ライター陣が”いまこそ家で観たい”オススメ映画、ドラマをピックアップ。ダニー・ボイル×レオナルド・ディカプリオの青春サスペンスや「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマなど、バラエティあふれる2作品がそろった!
南洋の楽園であらわになる人間たちの醜いエゴ…『ザ・ビーチ』(00)
“ヒマ人はロクなことをしない”――『トレインスポッティング』(96)でおなじみのダニー・ボイル監督は、本作のテーマをそう語る。アレックス・ガーランドの同名小説を、若き日のレオナルド・ディカプリオ主演で描いた本作。バックパッカーの青年が東南アジアを旅行中、若者たちが理想的な共同生活をおくる孤島のコミュニティを探り当てるが、南洋の楽園は予期せぬ事態により崩壊してく……という辛口の青春ドラマだ。
まず、映像が圧倒的に美しい。バンコクの猥雑な空気を抜けると、そこは空と海の青、緑が広がるパラダイス。その解放感は実に気持ち良いのだが、自然の美しさとは裏腹に、理想郷を築いたはずの人間の醜さが徐々にあらわになっていく。欲求とエゴ、利害関係といった負の要素がぶつかり合うさまは心理スリラー風で目が離せない。これは現代のSNSでも見かける光景ではないだろうか?ストレスフルな2020年、ヒマ人に甘んじないためにも観ておきたい。(映画ライター・有馬楽)
賞金稼ぎと赤ん坊の銀河を股に掛けた逃亡劇「マンダロリアン」(ディズニーデラックスで配信中)
『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(83)の戦いで指導者を失い、銀河帝国は大きく力を失う。それから5年後、銀河帝国の圧政から解き放たれた結果、世界は混乱した状況を迎えた。「マンダロリアン」は、そうした状況を背景に描かれる、戦闘種族マンダロリアンの戦士を主人公とした物語だ。
マンダロリアンの賞金稼ぎということから、マンドーと呼ばれる男は、帝国軍残党からある依頼を受ける。苦難の末、辺境の惑星でマンドーが見つけたものは、ジェダイマスターとして名を馳せたマスター・ヨーダと同じ種族の赤ん坊だった。その“ザ・チャイルド”を狙う残党たちの目を逃れるべく、賞金稼ぎと赤ん坊の旅が始まる。
本作は、Disney+(日本ではディズニーデラックス)にて独占配信されている、「スター・ウォーズ」シリーズ初の連続ドラマシリーズ。『アイアンマン』(08)を大ヒットさせた俳優であり監督であるジョン・ファヴローが脚本とエグゼクティブプロデューサーを担当し、実力派監督たちが各話監督を務めることで、質の高いドラマとして完成している。
「スター・ウォーズ」の原点のひとつである「西部劇」的なスタイルで作劇し、名作西部劇をリスペクトしたストーリーを展開。最小限のやり取りでキャラクターを立たせる脚本の妙(マンドーとザ・チャイルドの微笑ましいやり取りは女性でも楽しめます)、そして「スター・ウォーズ」ファン度が深いほど楽しめる小ネタの数々が用意されており、初見からディープなファンまで虜にしてくれること間違いなし。第2シーズンも制作中なので、自粛中にぜひ全話を観て次なる衝撃に備えておきたい作品だ。(映画ライター・石井誠)
週末に映画やドラマを観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/トライワークス
DVD 発売中
価格:1,419円+税
発売・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
■「マンダロリアン」シーズン1(全8話)ディズニーデラックスで配信中
https://www.disney.co.jp/deluxe/program/mandalorian.html/