作品は軒並み高評価! 世界で最も注目を集める女性監督とは?
今日のデンマーク映画界きっての女性監督、スサンネ・ビアの最新作『未来を生きる君たちへ』が8月13日(土)より日本公開を迎える。同作は本年度のアカデミー賞及びゴールデングローブ賞で外国語映画賞を受賞した感動作だ。恐らく今、世界的に見て、最も才能に満ちた映画作家の一人であろう彼女の作品は、これまでも軒並み高評価を受けてきた。
トビー・マグワイヤ、ナタリー・ポートマンらの共演で『マイ・ブラザー』(09)としてリメイクされた『ある愛の風景』(04)をはじめ、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『アフター・ウェディング』(06)や、ハリウッド進出作となった『悲しみが乾くまで』(07)など、家族を主なモチーフに据え、重厚なテーマをリアルに描いてみせる手腕は高く評価されてきた。
そして、その手腕は今作にも引き継がれている。アフリカで医師として働く父と、デンマークでいじめを受ける息子を軸に、傷つけられた相手を許すべきか、それとも断固として戦うべきか、という根本的な問題について深く考えさせてくれる。アフリカとデンマークという環境も人間も全く違うふたつの場所を描きながら、そこに通底する普遍的なテーマを浮き彫りにしてしまうのはさすがと言って良いだろう。
デンマークの映画作家といえば、ラース・フォン・トリアーやトマス・ヴィンターベアなどが世界的にも著名だが、やはり重厚なテーマを扱った作品も多い。『未来を生きる君たちへ』をきっかけに、デンマーク映画の世界に足を踏み入れてみるのも良いだろう。【トライワークス】
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