『神様のカルテ』の宮崎あおい「こんなに幸せで良いのかなって思うのが悩みでした」
夏川草介の同名小説を映画化した『神様のカルテ』の完成披露イベントが7月25日、六本木ヒルズで開催され、櫻井翔、宮崎あおいら豪華キャストと、深川栄洋監督が登壇。映画の名シーンを彷彿させる桜吹雪が舞い散る中、櫻井たちが笑顔で桜色のカーペットを歩いた。
『神様のカルテ』の舞台は信州の松本。内科医・栗原一止(櫻井翔)は、24時間・365日対応の本庄病院で、多忙な毎日を送りながら、ある患者との出会いを経て成長していく。イベントのゲストとして、櫻井、宮崎、要潤、吉瀬美智子、岡田義徳、朝倉あき、原田泰造、池脇千鶴、加賀まりこ、柄本明、深川監督の11名が参加し、リムジンで颯爽と登場した。
主人公・栗原一止役の櫻井翔は、「私たち、リムジンで舞い上がってます」と、テンション高めに挨拶。「悩みに悩み、苦しんだ一ヶ月間でしたが、今、振り返ると、とても素敵な、自分の中でも財産となってます」。劇中ではダサめのクリクリパーマヘアの櫻井だが、「今日はその反動もあって、だいぶキメてきたんですが」と言うと、会場は爆笑。一止の妻・榛名役の宮崎あおいは、「撮影の一ヶ月間は本当に幸せで。こんなに幸せで良いのかなって思うのが悩みだったっていうくらい、本当に良い時間を過ごしました」と喜びを露にした。一止の同僚・砂山次郎役の要は「一止とは合わせ鏡のような医者の役。敵なんですが、ものすごく愛を持った敵という演出をしていただきました」と満足気な表情で語ると、学士役の岡田も「一止君が本当に自分と葛藤する姿が素敵だなと思いました」とコメント。
末期がん患者・安曇雪乃役の加賀も「長生きしてみるもんですね。この年で、こんな良い監督と共演者に出会えて」と語ったところを見ると、深川組はとても良い現場だったようだ。そんな深川監督について、紫綬褒章を受章したばかりの柄本明は「ひと言で言うと変態です。これはほめているんですが、正直な変態です」と語り、会場は大爆笑となった。
登壇者全員が非常に充実感あふれる良い表情を見せてくれたのが印象的な舞台挨拶となった。最後に櫻井はこう締めくくった。「人は一人で生きていかなくても良い。誰かに寄りかかって生きていけば良いんだという作品になっています」。確かに原作小説の世界観やメッセージを丁寧に織り込んだ良質の映画となった『神様のカルテ』。人と人との絆が問われる今、多くの人に見てもらいたい映画となっている。【取材・文/山崎伸子】