ジョン・ウー監督、女優として出演した愛娘の話を激白「ワイヤーで吊るされ心配した!」
アクション女優ミシェル・ヨーと韓国のトップスター、チョン・ウソンが共演した武侠アクション映画『レイン・オブ・アサシン』(8月27日公開)で、ジョン・ウー監督と、若き台湾の新鋭監督スー・チャオピンが来日、7月27日に新宿で記者会見が行われた。ジョン・ウーは本作に出演した愛娘とのエピソードを照れながら告白。また、特別ゲストとして、大地真央も登壇し、監督からラブコールを受けた。
究極の奥義を巡り、刺客たちが壮絶な闘いを繰り広げる本作では、ミシェル・ヨーらが魅せる華麗なアクションと、ドラマチックなロマンスが展開される。 プロデューサー兼共同監督を務めたジョン・ウーは、「今回は本作の監修をしました。プロデューサーの条件は、撮影をまず楽しむこと。スー監督の演出は見事で、女優ばかりか男優にもロマンチックな愛を演出できることに嫉妬を覚えました」とスー監督を大絶賛。ジョン・ウーに才能を認められ、今回共同監督を務めたスー・チャオピンは、「ジョン・ウーは、映画界では歩くウィキペディアみたいな人だから、たくさんのことを学ぶことができました」と優しい笑顔を見せた。
本作では、ジョン・ウー監督の娘、アンジェルス・ウーが刺客の一人として出演している。ウー監督は「娘がしたいということなら何でも尊重します。怖いからね」と苦笑い。「彼女は監督志望なので、役者の経験は役に立つと思いました。でも、娘がワイヤーで吊り上げられるのを見て心配で心配で、カメラの前をうろうろしてて、『安全面は大丈夫なのか?』と聞いて回りました。そしたら撮影後に娘から『お父さん、現場にいないで』と言われました(笑)」と、父親の顔をのぞかせた。
その後、大地真央が登場。元宝塚男役スターである大地は、凛々しさと美貌を兼ね備えた点がミシェル・ヨーと重なるということで、ふたりの監督に花束を贈呈した。大地は「剣術のシーンが素晴らしかったです。優美さの中に品格や神秘性があって」と興奮気味に挨拶。ジョン・ウーも目尻を垂れ、「もっと早くお会いしたかった。私はいつも日本の素晴らしい俳優さんと仕事をしたいと思っています。続編があるなら、是非一緒に仕事をしたい」と猛烈アピール。大地も「今日から中国語、頑張ります」と笑顔で答えた。スー監督も「ミシェルは一晩中ワイヤーで吊るされていたけど、大地さんならできるのでは」と言うと、大地は「『女ねずみ小僧』では、立ち回りもやりました。今度、ワイヤーで吊られてみたいです」と、意欲満々の様子だった。
ジョン・ウー監督は、東日本大震災で被災した人たちをねぎらいながら、本作でのメッセージをこう伝える。「人間はどんな苦境にあっても、それを超えて新しい人生を生きていける。どんな困難でも耐え続ければ新しい未来が切り開ける」。エンターテインメントを通じて、我々に元気をくれようとするウー監督たちの熱い思いが伝わってきた会見だった。【取材・文/山崎伸子】