『シャンハイ』チョウ・ユンファ「本作で描かれているのは愛と情熱だ」
ジョン・キューザック、チョウ・ユンファ、渡辺謙、菊地凛子といった国際的なキャストが顔をそろえる、太平洋戦争開戦目前の上海を舞台にした歴史ミステリー『シャンハイ』(公開中)。本作で裏社会のボス、アンソニー・ランティンを演じたチョウ・ユンファは現在56歳。『男たちの挽歌』(87)でアジアのスターとなり、その後、ハリウッドでもデビューを果たす。『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』(07)などにも出演し、その円熟味ある演技は高く評価されている。そんなチョウ・ユンファの動画インタビューが届いたので、ご覧いただきたい。
――あなたが演じたアンソニーについて聞かせてください
「彼は1940年の上海にいる典型的なギャングではない。寛大な心も持ち合わせている。白と黒だけではなく、中間にグレイゾーンがある。そこがとても好きなんだ」
――本作について、いかがですか?
「恐らく皆は、この作品を伝統的なラブストーリー、あるいは歴史的戦争映画と言うだろうが、本当は違うんだ。この映画で描かれているのは、愛と情熱だ。だが男と女の愛だけでなく、男どうしの関わりについても描かれている。政治的な要素はそれほど多くないんだ。僕はあの当時の、人としての尊厳のあり方にとても興味があるんだ。金が全てではない。利害関係や友情を描いた作品なんだ」
――コン・リー演じるキャラクターとアンソニーの関係について聞かせてください
「コン・リーと僕の演じるキャラクターの関係性はとても興味深い。すごく曖昧なんだ。ふたりは友人なのか、夫婦なのか、それともパートナーなのか、よくわからない。物語に様々な謎があるだけでなく、キャラクター自身にも謎が多いんだ」
――ミカエル・ハフストローム監督との仕事はいかがでしたか?
「ヨーロッパの監督と組んだのは今回が初めてで、とてもユニークな経験だった。彼は様々な選択肢を僕たちに与え、たくさんの質問をしてくる。僕たちは、彼が何を求めているのか、理解しなくちゃいけないんだ。それに彼はとても緻密だね。これは僕の推測だけど、アンソニーという人物を演じるうえで、僕なりのイメージが持てるように余地を与えてくれているんだと思う」【Movie Walker】