セリフに「ちょっちゅね」はなし!? 具志堅用高が『天国からのエール』を大絶賛
余命わずかと知りながらも、ミュージシャンを志す高校生たちのために音楽スタジオを設立し、彼らの活躍を応援した人物の生き様を描いた感動作『天国からのエール』(10月1日公開)。9月20日には、都内にて公開直前試写会が実施され、阿部寛、ミムラ、桜庭ななみらキャスト陣とスペシャルゲストの具志堅用高が登壇し、本作の魅力を語る舞台挨拶を行った。
小さな弁当屋を営みながら、高校生たちの夢を応援し、大勢の若者から“ニイニイ”と慕われた実在の人物・仲宗根陽さんをモチーフにした主人公・大城陽を演じた阿部は、「今日は朝早くからお越しいただきまして、ありがとうございました。この映画は昨年10月、台風が沖縄を直撃したタイミングでクランクインした、とても思い出深い作品です。仲宗根さんの思いや生き様を多くの方に知っていただくため、精一杯頑張らせていただきました」とコメント。また、実際に現地でオールロケを行なったことについては、「仲宗根さんの作られたスタジオは、本当に高校のすぐ側にあって、高校生たちとの距離感がすごく近いんです。彼が『頑張ってる若者たちのために何かしてあげたい』と思うようになった理由がよくわかりました」と、主演ならではの意見を聞かせてくれた。
そんな夫を支え、一緒に若者たちの成長を見守る妻・美智子を演じたミムラは、「仲宗根さんのご家族や、現地の方がいらっしゃる前でお芝居をすることに、最初はすごく緊張しましたが、現場の空気がすごく温かかったので、すんなりと役に入ることができました。仲宗根さんの奥さんからも差し入れをいただいたりして、とても楽しい時間が過ごせました」と話した。続いて、陽が設立したスタジオで練習を重ね、プロのミュージシャンを目指す女子高生アヤを演じた桜庭は、「私はライブのシーンが印象的でした。仲宗根さんのご家族にはエキストラとして参加していただいたんですけど、私たちの演奏をご覧になって、とても喜んでくださって。今回の撮影のためにギターを一から練習した甲斐がありました」と、お気に入りのシーンについて語ってくれた。
また、物語の舞台である沖縄県出身で、自身もボクシング界で後進の育成に力を注いでいる具志堅は「良い映画だね。最後は感動して泣いちゃったよ。阿部さんの演技も本当に素晴らしくて、沖縄人の特徴をよくとらえていたね。訛りも自然に聞こえたけど『ちょっちゅね』は言わなかったね(笑)」と語り、さらに「私も高校時代、学校の近くの銭湯に下宿させてもらってボクシングに打ち込んでいたので、一生懸命頑張る若者を見ていたら、何だか懐かしい気持ちになるね。そういえば、主人公が子供たちと協力してスタジオを作るシーンがあったけど、費用はいくらぐらいかかったの?」と、阿部と仲宗根さんを混同した質問を投げかけ、会場を沸かせた。
沖縄の美しい自然を背景に、若者に希望を与えるため尽力した男性と、真っ直ぐに彼を信じた高校生たちとの交流を温かいタッチで映し出した『天国からのエール』。原案となった書籍「僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL」も発売中なので、映画と併せて読めば、さらなる感動が味わえるに違いない。【六壁露伴/Movie Walker】