マドンナ監督作『W.E.』が酷評の嵐で編集やり直しへ
ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、その後、トロント映画祭でも上映されたマドンナの監督作『W.E.』が、レビューであまりにも酷評されているため、12月の全米公開を前に、編集をやり直すことになったとニューヨーク・ポストなどの複数のメディアが伝えている。
ニューヨーク・ポストによれば、配給会社代表のハーヴェイ・ワインスタインやプロデューサーらが再編集で10分程度カットするようマドンナと交渉しているそうで、マドンナも概ねその意向に同意しているらしい。また、英デイリー・メイル紙によれば、マドンナ自身もヴェネチアで再編集の必要性を匂わせる発言をしていたようで、「たぶん、ちょっと変えた方が良いところが何ヶ所かあるのかもしれないし、まだ製作進行中の作品なのかもね。ああ、本当にもう! 早く終わってくれると良いと思うわ!」と、若干ヤケクソ気味に同紙の記者に語っていたという。
同作は、ヴェネチアで上映後、高級紙でも激辛の批評を掲載することで有名な英国のメディアから特に叩かれ、トロントではそれほど手厳しい評価は受けなかったが、著名なブロガーが上映中に派手ないびきをかいて寝ていたと伝えられている。これを受け、英紙ガーディアンは「どうすれば『W.E.』を救えるか」という記事の中で、「いっそホラー映画にする」「マドンナの有名曲を随所に使って映画と音楽のマッシュアップにする」「ナチスへの言及を消す」「反対に、思い切りナチスの映画にする」「全てのシーンをランダムにつないで実験映画にする」などの提案をしている。
同作は、10月12日(水)から開催のロンドン映画祭でも上映されることになっており、その時に再編集で引き締まった作品を見せられれば、評価も変わってくるかもしれない。【UK在住/ブレイディみかこ】