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28年の時を経て解禁! あの戸塚ヨットスクールを描いた問題作が現代日本の教育を問う

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28年の時を経て解禁! あの戸塚ヨットスクールを描いた問題作が現代日本の教育を問う

戸塚ヨットスクールを取材したルポタージュを原作に、訓練生たちの成長や葛藤を描いた人間ドラマ『スパルタの海』が10月29日(土)より公開される。実はこの作品、本来は1983年9月に公開が予定されていたものの、同年6月に発覚したいわゆる“戸塚ヨットスクール事件”での校長逮捕を受け、急遽上映が中止。そのまま封印されてしまった作品が、この度、実に28年ぶりに異例の全国ロードショーを迎えることになったのだ。

服役中だった戸塚校長の出所に合わせて、2005年に彼の支援者たちが映画の著作権を買い取ったことが、今回の全国ロードショーにつながったという。一時は体罰反対の風潮を受け、強い批判にさらされた戸塚ヨットスクールだが、根強い支援の動きを見ると、戸塚ヨットスクール的な教育の精神を今も必要としている人々がいることがよくわかる。本作の上映プロデューサーは今回のロードショー公開について、「現在のあまりにひどすぎる教育荒廃ぶりを考えた時に、ヨットスクールを再検証してみるのも面白いのではないか」と語ってくれた。

また、本作は劇中に登場するエキストラの多くに実際の関係者を起用し、暴力描写もかなり過激に行うなど、事件発覚以前の戸塚ヨットスクールの姿をありのままにとらえている。同時に、豪華スタッフやキャストを起用し、青春の一場面を切り取ったドラマとしても出色のできとなっている。資料的な価値とエンターテインメントとしての質が同居した稀有な作品というわけだ。プロデューサーは、公開に踏み切った理由として前述の考えを挙げつつも、最大の理由は「映画としてのクオリティや娯楽性の高さ、そして何より作り手の情熱がすごいので、単純にお蔵入りしておくのがもったいないと思ったんです」と明かしてくれた。

引きこもりや無差別殺人など、多くの歪みを抱え続ける日本社会。是非を問われることもなく封印されてしまっていた本作が提示する問題は、28年の時を経た現在でも依然として現実的なものばかりだ。いささか異色な青春映画として楽しみながらも、一方で戸塚ヨットスクールの教育論が今も支持を受け続けることの意味をもう一度考え直してみてはいかがだろう?【トライワークス】