可愛い!中国の芦田愛菜こと嶋田瑠那「涙は数秒もらえばいつでも流せる」
アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、ジャッキー・チェンという中華圏の人気アクションスターが夢の競演を果たした超大作『新少林寺 SHAOLIN』(11月19日公開)。本作で、アンディ・ラウと親子役で共演した北京在住の名子役・嶋田瑠那を直撃。日本人と中国人のハーフの彼女は、その演技力と愛くるしさから“中国の芦田愛菜”との呼び声も高い。そんな彼女にインタビューしたら、実際に目の前で、涙の名演技をいとも簡単に披露してくれてビックリ!
本作の舞台は、辛亥革命で清王朝が倒れた中華民国初年、軍人たちが私利私欲の争いを繰り広げていた乱世だ。アンディ・ラウ扮する無慈悲な将軍・侯杰(こうけつ)は、義兄弟の契りを交わした将軍・宋虎(そうこ)の暗殺を企てるが、部下に裏切られた挙げ句、最愛の一人娘・勝男(しょうだん)まで失ったことで、少林寺に入門し、人として改心していく。その重要な役どころの勝男役を熱演したのが、嶋田瑠那だ。
嶋田は、父親役のアンディ・ラウと、母親役のファン・ビンビンと共演したが、「すごく優しくしてくれました」と言う。「本当のお父さん、お母さんみたいでした。アンディさんは演技指導もしてくれたんです」。劇中では、アンディが彼女を抱えたまま、坂を勢いよく転がっていくというアクションシーンもある。「あれはスタントではなく、私自身がやりました。ちょっと痛かったですが(苦笑)。監督さんは『スタントを使いましょうか?』と言ってくれましたが、アンディさんが『できれば本人が良い』と言ってくれたし、私自身もやりたかったので頑張りました」。
勝男は父親と逃走中に大怪我を負い、命を落とすが、そこでも彼女は迫真の演技を見せた。「死ぬ前の演技は難しかったです。最後に口から血を流すシーンがあるんですが、血を口にためたまま横たわるので、飲み込まないように気をつけてやりました。でも実はあの血、赤い顔料とガムシロップを混ぜたもので、甘くておいしいんですよ(笑)」と、いたずらっぽい笑顔で笑う。
芦田愛菜同様、劇中の悲しいシーンでは、ほろりほろりと大粒の涙を流していた彼女。「演技で涙を流すのは難しくないですか?」と聞くと、「全然難しくないです。ちょっと数秒間、準備時間をもらえれば、いつでも涙は流せます」とケロリと答える。しかもそう言った数秒後、何と目の前で涙ぐむ表情を見せてくれたのだ。「す、すごい!」と、思わず目を丸くして拍手喝采。恐るべし、天才子役。こんな涙でうるんだ目を見せられたら、大人はイチコロ間違いなし!?
母親役のファン・ビンビンは憧れの女優でもある。「とても綺麗でした」という彼女は、他にリー・チーリンも大好きだという。将来的には「綺麗な女優さんになりたいです」という子供らしい意見も好感度大。現在は北京在住だが、目下、日本語を勉強中で「日本の映画やドラマにも出演したいです」と語る。「ハリウッド映画はどうですか?」と聞くと、「出たいんですが、英語は難しいから好きじゃないんです。ハリウッドでもみんなが中国語をしゃべってくれれば良いのに」とぼやく表情も愛らしい。
最後に本作の見どころを聞いたら、「アンディが私を守ってくれるシーンを見てほしいです」と、笑顔でアピールしてくれた。まだ9歳ながらも、アンディ・ラウやファン・ビンビンと堂々渡り合った存在感は本当に素晴らしい。将来は世界を股にかける大女優になるのではないか。嶋田瑠那、この名前は覚えておいてほしい。願わくば、日本の映画やドラマで、芦田愛菜との共演も見てみたい。【取材・文/山崎伸子】