桜庭ななみ、松坂桃李が『ドットハック セカイの向こうに』で意外な思春期を告白!
現実とゲーム世界、2つの空間のドラマを描く『.hack(ドットハック)』シリーズ初の劇場版3Dアニメ『ドットハック セカイの向こうに』の初日舞台挨拶が1月21日、テアトル新宿で開催。声優を務めた桜庭ななみ、松坂桃李、田中圭、そして松山洋監督が登壇した。
本シリーズはゲーム、漫画、アニメなど10年にわたって展開されてきた一大メディアミックスプロジェクトだ。映画は思春期の女の子を主人公に、新たな世界に触れるワクワク感、淡い恋心と友情を映し出したみずみずしい青春ドラマに仕上がっている。
明るくて芯の通った主人公、有城そら役を演じた桜庭ななみは『サマーウォーズ』(09)以来、2回目の声優業となり、「口の動きが細かくてリアルなので、それに合わせるのが難しかったです」と収録を振り返った。一見クールで、もの静かな田中翔役を演じた松坂桃李は、声優初チャレンジ。「僕の演じた役はボソボソとしゃべらなければいけないので、監督からも『もうちょっとテンションを下げて』と言われて」と苦労を明かすと、監督から「『シンケンレッドよりテンションを落として』とお願いしました」とコメント。場内からも笑いが起きた。そらの幼なじみで、何かとそらにちょっかいを出す岡野智彦を演じた田中圭も初チャレンジ。「顔や心情の変化がとてもリアルで、楽しくやらせていただきました」と充実感たっぷりに答えた。監督も「田中さんはほとんどリテイクなしで、スタッフとも『そこに智彦がいる!』と話していました」と絶賛だった。
また、主人公たちがゲームに夢中になる14歳であることにちなんで、キャスト陣も14歳当時にはまっていたものを告白することに。桜庭は、「毎日部活をやっていて。テニス部だったんですが、日焼け止めも塗らなくて真っ黒な女の子でした。靴下を脱いでも、まだ靴下を履いてるようにみえるような(笑)」。松坂は「僕は漫画家になりたくて」と答えると、監督含めて場内からも「意外!」の声が。「漫画のキャラクターを描いたりしていました。当時、漫画を描いていたジャポニカ学習帳を見直してみると、ヘタクソで(笑)! 特に好きだった漫画は『稲中卓球部』です」と、これまた意外とも感じる発言。田中は「僕はバスケをやりながら、稲中を読んでいた方です。バスケは今でも仲間とやっているんですよ」と近況も明かしてくれた。
最後に、シリーズ創設メンバーでもある松山監督は、「この劇場版は完成まで丸4年、スタッフ一丸となってやってきた作品です。『.hack』シリーズ10年の夢が今日叶ったと思っています。これを次に生かして、また映像作品に取り組んでみたい」と感無量の様子で、舞台挨拶を締めくくった。
新しいものと懐かしいものが融合した世界で、いつまでも変わらない大切な気持ちを教えてくれる本作。キャラクター原案を「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行、脚本を「機動警察パトレイバー」の伊藤和典が担当。確かなクオリティと声優陣の熱演を是非劇場で楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】