おばさんだって「けいおん!」したい!? 訳あり中年美熟女たちが一夜限りのライブに挑戦
高校の軽音楽部でバンドを結成した少女たちの緩やかな日常を描いた大人気アニメ「けいおん!」の大ヒットをきっかけに、再び到来しているバンドブーム。バンド活動は青春まっただ中の若者か、かつてのロック少年だったお父さん世代がメインで、子育てや家事、自分磨きや婚活で忙しい大人の女性とっての音楽は奏でるものではなく、聴くものとなっていることが多いだろう。そんななか、2月18日(土)に公開される映画『ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター』(2月11日先行公開)は、アラフォー女性4人が“ママさんロックバンド”として一夜限りのライブを目指す異色バンドムービーなのだ。
五十嵐貴久の小説「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」の映画化となる本作に登場する女性たちを演じるのは、4名の人気女優。空回りの優等生主婦・美恵子役には黒木瞳、男運の悪いバツイチ女・かおりを木村多江、寂しがり屋のママ・雪見役を演じるのは、南海キャンディーズの山崎静代。そして自称・元ロッカーのミステリアスな美女・新子役を真矢みきがそれぞれ熱演している。彼女たちは実際にプロの指導を受け、バンド演奏の猛特訓を敢行。忙しいスケジュールの合間に自主練も重ね、サブタイトルにもあるディープ・パープルの不朽の名曲を弾きこなせるまでに成長した。
中年女性たちの友情と彼女たちが抱える悩みの日常性と共に、実際の女優たちの成長も垣間見ることができる本作。名女優陣と映画『子宮の記憶』やドラマ「黒革の手帖」で知られる脚本家・神山由美子、「OUT」「29歳のクリスマス」などのテレビドラマやバンド映画『僕らのワンダフルデイズ』(09)でその演出力が高く評価された星田良子監督といった才能ある女性たちが結集して作り上げた「笑って泣けてすかっとできる」エンターテインメント。是非、その熱をスクリーンで体感してもらいたい。【トライワークス】