シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授は、物語を終わらせるためのキャラクターだった

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シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授は、物語を終わらせるためのキャラクターだった

全世界で5億ドルを記録した『シャーロック・ホームズ』(10)の続編『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(3月10日公開)で、シャーロック・ホームズのライバルにして悪名高く、原作ファンからも高い人気を誇る“もう一人の天才”ジェームズ・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)が遂に登場する。

モリアーティ教授とは“犯罪界のナポレオン”とも呼ばれる大犯罪者だ。ホームズの宿敵として描かれる彼は、知力、腕力共にホームズと互角。高名な数学者にして温厚な人格者だが、それは表の顔。その正体は良心の欠片もなく、誰も思いつかない手口で自らの手を汚すことなく民衆の命を奪い、絶大な富と権力を手に入れようと目論む男なのだ。小説では「最後の事件」で登場するモリアーティ教授。実はこのモリアーティ教授登場の裏には、原作者コナン・ドイルが別のジャンルの小説を書くため、「シャーロック・ホームズ」を終わらせようと作り上げたキャラクター。そのため、ホームズを抹殺する使者として、彼と同等の知力を持つ“もう一人の天才”が誕生したのだ。しかし、コナン・ドイルの意に反して、読者からの抗議と復活の要望が殺到し、「空き家の冒険」で世界的探偵は復活することになる。

本作でモリアーティ教授を演じるジャレッド・ハリスは、「原作で彼が実際に登場する場面がいかに少ないかを考えると、その割には彼はあまりに有名なキャラクターだよね。現代文学の初期に登場した名悪役だからね。プレッシャーは半端ではなかったよ」と本音を漏らし、「モリアーティを演じるからには、あのシャーロック・ホームズが畏敬の念を抱くだけの存在感を持たせなくてはならない。だけど、彼の正体は狂った犯罪者。僕はそこに演じ甲斐を覚えたよ(笑)」と語っている。ガイ・リッチー監督は「モリアーティが登場するのは、やり甲斐があるね。チャレンジではあるけれど、コナン・ドイルはモリアーティを“悪役らしからぬ悪役”として描いてるし、僕たちもそこを大切にしたかった。ジャレッドは適任だった。彼にも言っているのだけれど、彼はとにかく邪悪な奴なんだ。ジャレッドはそう言われて嬉しいらしい(笑)。皆が彼のことを邪悪だと思っているんだ(笑)。うまくいっているし、とにかく彼は素晴らしいね。一緒に仕事ができて光栄だよ」と絶賛する。

史上最強の名コンビの前に現れた“もう一人の天才”によってグレードアップした本作。モリアーティ教授は原作同様、シャーロック・ホームズを終わらせるために登場したのか。宿命のライバルとの対決の行方は是非とも劇場で確認してほしい。【Movie Walker】

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