メリル・ストリープ、“鉄の女”本国のアカデミー賞を制す!

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メリル・ストリープ、“鉄の女”本国のアカデミー賞を制す!

現地時間2月12日に行われた英国アカデミー賞授賞式で、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)のメリル・ストリープが主演女優賞を受賞し、“鉄の女”本国での受賞がよほど嬉しかったのか、ステージに上がる際にハイヒールの片方が脱げ、プレゼンターのコリン・ファースが彼女に靴を履かせる一幕があった。

同作の英国での評判は賛否両論で、サッチャー元首相を知っている国会議員から「現実とは違う」と批判されたり、サッチャー家の人々が上映会への出席を拒否したという報道もあった。そんな事情もあってか、主演女優賞発表で自分の名が読み上げられると、メリルは動揺と安堵が混ざり合ったような表情で席を立ち、小躍りするように壇上に駆け上がる途中で靴が片方脱げたが、そのままステージ中央に向かった。同賞のプレゼンターを務めていたコリン・ファースが急いでメリルの靴を拾い上げ、ひざまづいて彼女の足に履かせると、メリルは「最悪の登場ね!」と言って場内の笑いを誘った。

「この映画の野望は、『鉄の女』の人生の表と裏に目を向け、何かリアルなものを探し出すことでした。私はこの映画を誇りに思っています。私の体の半分はストリープ家の血が流れていますが、半分は(英国)リンカンシャー出身のウィルキンソン家の血を引き継いでいます。だから、この役を手に入れることができたのだと思ってます」とスピーチしたメリルのドレスは、英国人デザイナーのヴィヴィアン・ウェストウッドのものだった。

一方、主演男優賞は『アーティスト』のジャン・デュジャルダンが受賞しており、同作は作品賞を含む最多7部門を制する形になった。近年はゴールデングローブ賞より、英国アカデミー賞の結果の方がアカデミー賞に近くなっているとも言われるが、ここでも『アーティスト』は強かったようだ。【UK在住/ブレイディみかこ】

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