サンドラ・ブロック、初共演のトム・ハンクスの印象語る「彼の評判は全部本当で良いことばかり」
ジョナサン・サフラン・フォアの小説を映画化した『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2月18日公開)で、母の深い愛を表現し、世界中を涙させているのがサンドラ・ブロックだ。サンドラ・ブロックと言えばラブコメの女王として一時代を築いた実力派女優。しかし近年、『しあわせの隠れ場所』(10)で住む家を失った黒人少年を家族同然に愛し、教育し、アメリカンフットボールの選手に育てる母親役を演じ、念願だったアカデミー賞を獲得。その後、いったんは引退も考えていたが、本作で女優復帰、注目を集めている。
本作では夫(トム・ハンクス)の死後、自らも大きな喪失、悲しみを背負いながら、同じく悲しみと苦しみを抱える息子オスカーとの接し方に苦心する母親を熱演。そんな役に惹かれた理由を、「私が演じるのはオスカー目線の母親像なの。彼は父親の方に生きていてほしかった。そんな彼女の悲しみは複雑で答えが出せずに葛藤し、オスカーを慰められずにいるの。すごく興味深い役よ」と明かす。スティーブン・ダルドリー監督は「サンドラ・ブロックは本質的に人の身になって考えるところがあり、それが母親のキャラクターを生かせるのではないかと感じた。サンドラは、自分が演じる役を非常に真剣に考える第一級の女優だ。彼女がもたらした重みは、全く適切なものであると同時に、本物の魅力を秘めているんだよ」と、その取り組み方と彼女の表現を絶賛する。
今回、公開するインタビュー映像で、サンドラ・ブロックは本作について、「原作がある方が難しいと言われているけど、この作品はそうではなかったわ。監督がスティーブン・ダルドリー、脚本がエリック・ロス、製作がスコット・ルーディンだったからよ。これまでの彼らの作品は他に例がないほど、“質”と“深み”と“献身”と“芸術性”にあふれているもの。(もし参加することに)迷いがあっても消えるわよ。なかったけどね。さらにトム・ハンクスが出るなら保証付き」と、そのクオリティーの高さを裏付ける。
さらに「俳優として幸せだったわ」と語る本作では、トム・ハンクスとの初共演も話題になっている。彼との共演についてサンドラは、「彼の評判は全部本当で良いことばかり。でも、私が一番驚き、感謝したのは夫から重要な電話を受けるシーン。夫役のトムは画面に全く映らないシーンなので、適当な場所から電話をしてくれるんだと思っていたの。でも彼は現れた。『どうしてここにいるの?』と言ったら、彼は『近くの部屋で演じたい』と。多くの俳優、特に彼のようなクラスなら映らない演技はセットに来ないのよ。でも、彼は現れた。同じシーンを何度もやると、どうしても新鮮さが失われてしまうけど、彼はその日、一日中、私のために毎回違う演技をしたの。彼は近くの部屋で毎回演技を変えることが私の演技を良くすることを知っていたの。彼が尊敬される理由が本当にわかったわ」とトム・ハンクスを絶賛している。
母親役で新境地を開拓する実力派。その真摯に役を受け止める姿勢と、演じることへの情熱が世界中で涙を誘う理由なのかもしれない。【Movie Walker】