『アーティスト』が7部門席巻! ハリウッド・レポーター誌が第84回アカデミー賞受賞予測

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『アーティスト』が7部門席巻! ハリウッド・レポーター誌が第84回アカデミー賞受賞予測

現地2月19日にアメリカ脚本家組合賞が発表され、映画界の祭典は現地時間2月26日(日)に開催される第84回アカデミー賞受賞式を残すのみとなった。2月21日のアカデミー会員による投票締切日を迎え、ハリウッド・レポーター誌の映画アナリスト、スコット・ファインヴァーグが受賞予測を発表した。

マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』(3月1日公開)が最多11部門ノミネートだが、これまでの各賞の受賞結果から、24のカテゴリーのうち、『アーティスト』(4月7日公開)が作品賞、監督賞、主演男優賞を含む7部門を席巻すると分析している。

作品賞に『アーティスト』を推している理由としては、過去、アメリカ製作者組合賞受賞作22作品中15作品がアカデミー作品賞を受賞していること、またアメリカ監督組合賞を受賞した監督の63作品中50作品がアカデミー作品賞を受賞していることなどを挙げ、『アーティスト』がサイレント映画としては過去83年の歴史の中で初めて、そしてモノクロ映画としては18年ぶりに作品賞を手にすると予測している。競合と言われている『ヒューゴの不思議な発明』に関しては、俳優が全くノミネートされていないことや、大ヒットした『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(3月31日公開)に関しては、監督、脚本、編集の3つのカテゴリーにノミネートされてない作品は、過去79年間、作品賞を受賞していないことから、『アーティスト』が歴史を塗り替えると予測している。

監督賞が『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督の頭上に輝くと予測した理由については、過去63年間でアメリカ監督組合賞を受賞した監督のうち57人がアカデミー監督賞を受賞していることが最も大きいようだが、もし『ヒューゴの不思議な発明』のマーティン・スコセッシ監督が『ディパーテッド』(06)で同賞を受賞していなかったら、スコセッシ監督の可能性も高かったことは否めないと分析している。

次に主演男優賞だが、フランスのジョージ・クルーニーと言われる『アーティスト』のジャン・デュジャルダンが受賞すると分析する。『ファミリー・ツリー』(5月18日公開)のジョージ・クルーニーも強敵ではあるが、過去7年間、アメリカ映画俳優組合賞で主演男優賞を受賞した7人中7人がアカデミー主演男優賞を受賞していること、そして英国アカデミー賞を受賞した7人中5人がアカデミー主演男優賞を受賞していることが大きな要因となっている。これまでに同カテゴリーにノミネートされたフランス人男優は、故モーリス・シュヴァリエ(2回)、故シャルル・ボワイエ、そしてジェラール・ドパルデューの3人だけだが、4人目となったジャンが、フランス人俳優として初めてアカデミー賞を手にする快挙を成し遂げると予測している。

主演女優賞に関しては一番の激戦を予想しているが、ファインヴァーグは、希望的観測を込めて、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のヴィオラ・デイヴィスが、『チョコレート』(01)のハル・ベリー以来、2人目の黒人女性の受賞となるであろうと予測している。これまでの各賞では、オスカーを二度獲得している『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)のメリル・ストリープとほぼ互角の戦いをしており、メリルも強敵ではあるが、『マーガレット・サッチャー』が作品賞にノミネートされていないことから、ヴィオラが若干優勢と見ているようだ。また『マリリン 7日間の恋』(3月24日公開)のミシェル・ウィリアムズにも勝算は残されているものの、ヴィオラやメリルのような積極的なキャンペーン活動を行っていないことから、受賞確率は低いと見ているようだ。

そして、最近では一番予測しやすいと言われている助演女優賞には、これまで各賞を席巻した『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のオクタヴィア・スペンサー、助演男優賞には『人生はビギナーズ』(公開中)のクリストファー・プラマーがほぼ確実視されているが、ここにきて『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(公開中)のマックス・フォン・シドーの存在が急浮上している。『アーティスト』のジャンと共にセリフのないマックスの演技力が注目されているが、共に82歳のふたり、いずれが受賞しても俳優としては最高齢のアカデミー賞受賞者となる。

コダック・シアターで現地時間2月26日(日)に開催される授賞式まで後5日。どんなサプライズがあるのか楽しみだ。【NY在住/JUNKO】

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