ヌーブラ姿が痛すぎ!シャーリーズ・セロン扮する痛いアラフォーに注目
オスカー女優シャーリーズ・セロンは、麗しい小顔にパーフェクトバディを兼ね備えた完璧な女優である。でも“ハリウッド史上最も痛い女”役が絶妙にはまった。2月25日(土)から公開される『ヤング≒アダルト』で彼女が演じたヒロイン、メイビスは、アイタタタ…と思わず心の中で擬音が飛び出すほど、最上級に痛い。中でも女性御用達のヌーブラが、何とも言えない小道具(!?)として、ヒロインのトホホ度を強調しているシーンは失笑ものだ。
37歳でバツイチ、恋人なし。職業はゴーストライターで、少し前まではヤングアダルトシリーズで人気を博したが、今は落ち目で振るわない。独身アラフォーだが、お一人様を満喫したり、女子グループでつるんだりするタイプでもない。何よりも美人だから昔はモテモテだったが、その特権が永遠に続くと勘違いしている点が致命傷である。メイビスはこともあろうに、結婚して子供が産まれたばかりという、幸せ一杯の元カレを略奪しようとする。
それにしても、彼女の日常はひどい。部屋は汚い、コーラはラッパ飲み、アルコールに溺れ、メイクも取らずにベッドにうなだれるという荒んだ生活。でも、男と会う約束が入ると、エステをしたり、ネイルを整えたり、露出の激しいワンピースや清楚な淑女ルックなど、気合十分の勝負服でいざ出陣!となる。このわかりやすい行動全てがアイタタタである。中でも、特にヌーブラという小道具が痛さを強調している。セクシーで女度を上げるランジェリーではなく、ヌーブラってところがミソなのだ。
ヌーブラは肩ひもがないし、何よりもアンダーベルトがないから開放感があって快適だ。セクシーなワンピースの下に着用するのに最適だから、メイビスも愛用している。でも、このヌーブラはレース入りのランジェリーと違って、本当に画にならない。前半では、酔っ払ったままベッドで寝てしまったメイビスに、ヌーブラのシリコン部分がまとわりつくという身も蓋もないシーンがあり、思わず苦笑いしてしまう。
さらに、後半でメイビスが「抱いて」と男性に迫るシーンでも、このヌーブラの色気ゼロパワーが最大限に発揮される。スケスケレーシーなランジェリーではなく、ただの“肌色”でラグジュアリー度ゼロのヌーブラ姿は、いくらパーフェクトバディのシャーリーズでも「おいおい!」と駄目出ししたくなる。でも、その分、メイビスの寂しさや孤独が露呈し、彼女のことを心から愛おしくなるという名シーンとなった。
恋にもがくメイビスの姿は、見ていて本当に痛いけど、ある意味、美女特有の懲りないたくましさも感じる。「こうはなりたくない!」と反面教師的に見るのも良し、「あるある」と頷くのも良し。とにかくリアルなアラフォーの雄叫びが聞こえてくる『ヤング≒アダルト』は、いろんな意味で多くの女性に見てもらいたい作品なのだ。【文/山崎伸子】