陣内孝則、16年ぶりの主演映画で脱トレンディ俳優宣言&自伝も出版!?
大分県が舞台の映画『種まく旅人 みのりの茶』(3月17日全国公開)の完成披露試写会が、2月29日に草月ホールで開催。陣内孝則、田中麗奈、吉沢悠、柄本明、塩谷俊監督が舞台挨拶に登壇した。陣内は『三毛猫ホームズの推理ディレクターズ・カット』(96)以来、16年ぶりの主演作となる本作で「食うや食わずで頑張りました!」と激白し、会場を笑いの渦に巻き込んだ。
本作は、金ちゃんこと大宮金次郎(陣内孝則)が、お茶の有機農業に携わる農家の人々との交流を経て、農業の素晴らしさを体感、心も再生していくという“オーガニックシネマ”だ。陣内は「僕はトレンディ俳優なので、土くさい映画はどうなんだろうなと思いましたが、今回脱皮しようと思って。16年間、苦しくて何度も芸能界を辞めようと思ったけど、やっていて良かった。苦労が多くて『長かった栄光への道』という本を近々出そうかと」と陣内節を炸裂させ、会場は大爆笑となった。
ちなみに、陣内は役作りのために、10kgのダイエットも敢行。「今はこのざまです。ロケでは行く先々で、関サバや関アジ、フグなど、出されるわ、出されるわで、ぶくぶく太りました。多少、顔がつながっていませんが、そこも楽しめます」と語ると、また会場からはドッと笑いが起こった。
田中麗奈は「無農薬のお茶を手作りするという思いの強さやかける時間、試行錯誤してやられてるんだなと感じた時、大変なことだなと思って感謝しました」と笑顔でコメント。吉沢悠は「自然豊かなロケーションも見どころです」と語ると、柄本明は「お百姓さんの役です。僕はシティボーイで東京生まれ、東京育ちなんですが」とおちゃめに語った。
ロケ地の大分県は、塩谷監督の故郷でもある。「いつか自分の故郷で映画を撮りたいという思いがようやく実現しました。敬愛する小津安二郎さんや山田洋次さんという巨人たちの映画に近づきたいという思いもありましたし、オマージュでもあります。震災の最中に編集をしていました。国の再生は第一次産業の再生に他ならないなと」。農林水産省後援の映画でもある本作。確かに農業を通じて挫折から立ち上がる人々の姿は、確かに今の日本の元気を与えてくれそうだ。【取材・文/山崎伸子】