中谷美紀が『アーティスト』監督の本物のオスカー像を手に「重い!お米みたい」

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中谷美紀が『アーティスト』監督の本物のオスカー像を手に「重い!お米みたい」

第84回アカデミー賞で史上初のフランス映画での作品賞、フランス人俳優初の主演男優賞など最多タイ5部門を受賞した『アーティスト』(4月7日公開)のプレミアが、3月8日にシネスイッチ銀座で開催。オスカーを受賞したミシェル・アザナヴィシウス監督と作曲家のルドヴィック・ブールスが緊急来日し、「コンバンハ! アリガト!」と開口一番、受賞の喜びを語った。その後、中谷美紀がゲストとして登壇、彼らが持参したオスカー像を手に「重い!」と嬉しそうにコメントした。

サイレントからトーキーへ時代が移行する1920年代のハリウッドの映画界を舞台に、スターダムに上っていく新人女優と、過去の栄光にすがりつく大スターとの恋を描いた本作。アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、監督賞、衣装デザイン賞、作曲賞の5部門で受賞を果たした。

アザナヴィシウス監督は第19回東京国際映画祭でサクラグランプリを受賞した『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(06)で、ブールスと共に来日した経験がある。監督は「日本は二度目で、また来られてとても嬉しいです。大震災から一年経った今、皆さんにこの映画をご紹介できることをとても嬉しく思ってます」と挨拶。ブールスも「一年前の津波の映像をテレビで見て、本当に心が痛みました」と、神妙な面持ちで語った。

本作をモノクロサイレント映画として撮った理由を監督はこう説明する。「これをやりたかったんです。僕はサイレントが好きで、良いサイレント映画に出会った時の感動をよく知っています。それを皆さんと分かち合いたかった。監督するのはチャレンジングでしたが、映画史にないサイレント映画を提供しようと思ってやりました」。本作の作曲を手掛けたブールスは「映画の感情やミシェルの頭の中を音楽が翻訳しなくてはいけなかった。結果として上手くいったんじゃないかな」と答えた。

日本映画界を代表し、ふたりのオスカー受賞者に花束を渡したのは中谷美紀だ。アザナヴィシウス監督は中谷に「非常に美しいし、才能豊かな方」とリップサービス。ちなみに新人女優ペピー役で助演女優賞にノミネートされたベレニス・ベジョはアザナヴィシウス監督の愛妻ということで「下心はありません。監督として申し上げています」とエクスキューズ。本作に感銘を受けたという中谷は、「ラブストーリーとしても素晴らしいし、男の栄枯盛衰、再生の物語でもあり、大好きな映画への愛も詰まっています」と大絶賛した。

その後、何と監督たちが、持参した本物のオスカー像二体を披露してくれた。それを手に持たせてもらった中谷は大感激し「重いです。お米を買って持っているような感覚です」と嬉しそうに語った。中谷も語っていたように、ハリウッドへのオマージュがたくさん散りばめられた『アーティスト』。アカデミー賞を制した珠玉の逸品を心から堪能したい。【取材・文/山崎伸子】

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