世界中のゲームファンが嫌悪するドイツの奇才監督って?

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世界中のゲームファンが嫌悪するドイツの奇才監督って?

“鬼才”と“奇才”。いわゆる“巨匠”や“名匠”といった、誰もがほめ称えるものとはニュアンスが異なるが、いずれも映画監督たちに与えられる肩書きである。人間と吸血鬼とのハーフヴァンパイアであるヒロイン、レインの活躍を描く人気アクションゲームを映画化した『ブラッドレイン 血塗られた第三帝国』(3月17日公開)のメガホンを握るのも、ドイツの奇才と呼ばれる監督だ。

その名はドイツ人のウーヴェ・ボル。彼は本作以外にも、セガのシューティングホラーゲーム『ハウス・オブ・ザ・デッド』(03)や、PC向けのサバイバルホラーゲーム『アローン・イン・ザ・ダーク』(06)など、ゲーム作品の映画化を数多く手がけている。だが、そのどれもがゲームファンからしたら疑問符がつく内容になっており、その都度、物議を醸しているのだ。

具体例を挙げると、『ハウス・オブ・ザ・デッド』では「マッドサイエンティストが実験を行う洋館に潜入した特殊機関のエージェントが、次々と襲いかかるゾンビと戦う」というゲームの設定はどこへやら。とある南の島を訪れた若者たちがゾンビに襲われるという、一応、マッドサイエンティストは出てくるものの、別にオリジナル作でも良いのでは?というほどに設定が大幅に変更されていたため、ゲームファンが納得いかなかったのも仕方がない。

さらに、同作では若者たちとゾンビのバトルシーンの前後にゲームの映像を大胆に盛り込んだりとやりたい放題。そんなことが同作以降も続き、ファンから「ゲームを原作とした映画作りを止めてほしい」との署名活動が起こったり、ゲームメーカーから映画化を拒否されたり、アメリカの映画サイトIMDbのBottom 100(要するにワースト100)に彼の作品が何本もランクインしたりしている。ゴールデンラズベリー賞の最多ノミネート記録も保持しているほど(最悪功労賞まで受賞)だ。

別に本人に悪気はないのだろうが、ことごとくゲームファンの期待を裏切る作品を作り出してしまう困った人物と言っても良いだろう。彼が第1作から監督を続けるこのシリーズは、そんななかでも人気作で、第1作では18世紀のルーマニア、第2作は西部開拓時代のアメリカ、そして本作では1943年のヨーロッパへと時代を移し、レインの戦いが描かれている。今後もまだまだ続きそうな予感もするが、トンデモぶりはいかがなものかと怖いもの見たさで劇場に足を運んでみるのも良いかも!?【トライワークス】

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