藤原竜也、『I’M FLASH!』の豊田利晃監督に「地獄のような毎日でした」と恨み節
藤原竜也が心から切望したという豊田利晃監督とのタッグ作『I'M FLASH!』(9月公開)が完成。5月17日に完成披露試写会が六本木シネマートで開催され、藤原と豊田監督が舞台挨拶で登壇した。藤原は豊田組で、今までのキャリアを根底から覆されるほど、限界まで追い込まれたそうで「今、振り返っても、地獄のような毎日でした」と、過酷な現場について激白。
藤原が演じるのは、新興宗教のカリスマ教祖・吉野ルイ役。ある日、彼は謎の美女・流美(水原希子)と運命の出会いを果たす。藤原は「僕の夢だった豊田組に初参加させてもらって、嬉しく思っています」と言いながらも、苦労した撮影裏話を語ってくれた。
ルイのボディガード役で、松田龍平が『ナイン・ソウルズ』(03)以来、8年ぶりに豊田作品に参加しているが、藤原は現場で松田にかなりジェラシーを抱いたようだ。「ここまでOKが出ないのかと。龍平なんて、ちょっとしゃべってOKって言われて。さすが(豊田組に)慣れてるなって。雨上がりにサンダルで猛ダッシュし、龍平が追いかけてくるシーンでも、監督は俺の前をスルーして『龍平、良かったよ』って」と不満を炸裂。ただ、松田との仕事については「面白かったです。映画の世界において尊敬できる存在」とリスペクトした。
豊田監督は、不服そうな藤原を横目に「現場では、最高でしたよ」と称賛。「蜷川(幸雄)さんの呪いがかかりすぎてて、それを解くだけの時間が必要でした(苦笑)。でも、この映画では、見たことのない藤原竜也がいるって、みんなの評価が高いのでほっとしています」と笑顔で語った。藤原は、ほめられても「憎悪と尊敬の念しか持っていない」と恨み節を語った。
最後に藤原は「久しぶりに一流の映画人の人たちに囲まれた現場で、ドロドロともまれながら撮影した作品です」と、力強くアピール。ヒロインには『ヘルタースケルター』(7月14日公開)の水原希子。日本映画界を担う3人が豊田監督のメガホンの下で、どんな化学変化を見せてくれるのかが気になるところだ。【取材・文/山崎伸子】