新星・三根梓が西島隆弘、高良健吾と目力トーク!
突如、映画界に彗星のごとく現れた新進女優・三根梓。映画デビュー作にして、初主演作となった『シグナル 月曜日のルカ』(6月9日公開)では、今、勢いを感じさせる西島隆弘と高良健吾と共演した。3人にインタビューをしたら、穏やかな口調で一生懸命に話す三根を、西島たちが温かい目線で見ている姿が印象的だった。
三根が演じるヒロイン・杉本ルカは、小さな映画館の映写技師だ。バイトの映写助手として入った宮瀬恵介(西島隆弘)は、ある秘密を抱えたルカに惹かれていく。高良は、ルカの過去を知る男レイジ役に扮した。
本作は新潟や長野でオールロケを敢行。初めての映画出演作ということで、三根はクランクインする1ヶ月前から何度も監督とリハーサルを重ねた。「初めてだったから、発声から監督に教えていただきました。やってもやっても、監督からは『まだまだ』って。『それじゃあ、絶対ふたりの芝居に置いていかれる』って言われて、すごく不安もあったんですが、集中して、必死についていこうと頑張りました」。
西島は彼女について、「三根さんが新潟のお米とかいろんな土地のものを食して、楽しくやっている姿を見たら、変な方向に煮詰まってなくて良かったなと思いました」と振り返る。三根が「現場では、本当に色々と教えてもらいました」と言うと、西島は「いや、僕から芝居に関しては一切言ってないよ」と否定しながら、「質問されたことに対して答えただけで。挨拶とか、自分の中でこれは正しいと思ったことを伝えただけです」と笑顔で語る。
また、高良について、西島は「初めてお芝居を一緒にした時、『西島さんって、全部芝居が違うんですね』って言われて。第一声がそれだったので、『あ、ごめん、駄目だった?』って言ったら、『いや、全然。僕も結構変えるから、すごくやりやすかったです』って言ってくれたんです。僕もやってて、感覚が合うなって思ったから、とても楽しかったですね」。
高良は西島について、「計算した芝居もできるし、動物的にも動けるすごい人」とリスペクト。西島は「分析してるね(笑)」と笑うと、高良は「いやいや。感動したんです」と返した。さらに、三根と西島の演技についても絶賛。「三根さんを見ていてすごいと思ったのは、狙っていないこと。それは西島さんもそうで、ふわっとそこにいる。だから、これはルカと恵介の映画だなって思いました」。これに対し、三根が首を振りながら恐縮すると、西島も「いやいや。レイジにはスパイスがあった。唐突にボンってきて、ちゃんとトゲがあったから良かったです」と、高良の怪演ぶりを称えた。
ルカの目力が印象的だが、三根は「監督から、ルカには目力で訴えなきゃいけないことがたくさんあるって言われたので、意識しました。セリフがなくて、真剣にピントを合わせるシーンでは、私の中で目から光が出るくらいキラキラするようなイメージを持っていました(笑)」。
西島は、ソフトな眼差しが印象的だ。「僕は目力を意識したことってそんなにないです。たぶん、時代劇や戦隊ものだったら、背景を尊重したうえで芝居をしますが、『シグナル』に関しては、今、現代の話なので、普段の状態で表現するのが一番ナチュラルかなって。まあ、女の人とかを口説く時とかは計算しますけどね(笑)。意識してチラチラしたりと、テクニックを使います」。
高良は、レイジ役で鋭い眼光を見せた。「僕も目力をあまり意識していないです。もちろん、ここ!というところでキメられる人ではいたいですが。僕はその時々で瞬きをしてもいいと思っています」。
『シグナル 月曜日のルカ』は三者三様に、役柄の個性もトーンも違うが、だからこそ奏でるハーモニーが新鮮で面白い。新星・三根梓の名前は、是非ともインプットしておいてほしい。【取材・文/山崎伸子】