ダニエル・ラドクリフ、“ハリポタ”後一作目が苦情最多映画に
BBFC(英国映画倫理委員会)によれば、今年英国で公開された映画の中で、これまでのところ最も多く苦情が寄せられているのは、ダニエル・ラドクリフ主演のホラー映画『The Woman in Black』だという。
同作は、ダニエルが『ハリー・ポッター』シリーズを卒業して初めて主演した映画で、ダニエルが演じる若き弁護士が、人里離れた呪われた村を訪れて、さまざまな怪奇現象に遭遇するという話。“ハリポタ”シリーズでスターになったダニエルが主演なので、低年齢の観客層が鑑賞できるように、製作側は6秒間の暴力的シーンの映像をカットして“12A”のレイティングを得た。しかし、「映画の内容が12歳未満の子供には怖すぎる」という苦情が多く寄せられているようだとHollywood Reporterは伝えている。
英国の“12A”は、以前から物議を醸すことの多いレイティングで、12歳未満でも成人保護者の同伴付きなら鑑賞可という意味。“12A”が導入されたきっかけは、『スパイダーマン』(02)が公開された時、12歳未満の鑑賞を禁止する“12”レイティングだったために、子供たちから不満の声があがったせいだった。だが、その後“12A”指定で公開された作品には、『ダークナイト』(08)や『007 カジノ・ロワイヤル』(06)など内容が子供には不適切として苦情を集めた映画も多く、“12A”というレイティング自体が曖昧なのではないかという声もある。
ちなみに、昨年公開された映画で最も苦情が多かったのは、レズビアンのセックスシーンがあった『ブラック・スワン』(10)だったそうだが、ダニエルの『The Woman in Black』には、今年上半期だけでその3倍を超える数の苦情が寄せられているらしい。【UK在住/ブレイディみかこ】