大島優子が『メリダとおそろしの森』挑戦で得た飽くなき向上心。「もっともっとやらなきゃ!」

インタビュー

大島優子が『メリダとおそろしの森』挑戦で得た飽くなき向上心。「もっともっとやらなきゃ!」

世界中から愛される作品を生み出し続けているディズニー/ピクサーが、初の女性主人公を描いた『メリダとおそろしの森』(7月21日公開)。日本語吹替版本編の王女メリダ役には大島優子が抜擢された。本作のチャレンジにより、愛を込めて、ものを作ることの大切さを痛感したという。彼女にインタビューし、走り続けるパワーの源を聞いた。

小さい頃からピクサー作品の大ファンだったという大島。抜擢の率直な感想を聞くと、「私がメリダの声優をやらせていただけるなんて、本当に信じられなくて! 嬉しかったですね!」と目を輝かせた。「もともと『トイ・ストーリー』シリーズが大好きで。おもちゃがしゃべり始めるなんて、夢にあふれていますよね。来日したピクサーの方にお会いした時は感激でした。『笑顔で、はつらつとしていて、メリダにぴったりだ』って言ってもらえたんです。でも、私自身も、メリダと似ていると思えるところがたくさんあって」。

王女でありながら、弓の名手で、愛馬に乗って森を駆け抜ける、お転婆少女のメリダ。自由を愛するあまり、王家の伝統を重んじる厳格な母としばしば対立してしまう。共感する点が多かったというが、具体的にはどんなところだろう? 「少女から大人に変わる狭間の時期。メリダが、自分がやりたいことと、親の求めることの間で、『どうすれば良いの!』ってもがいている感じは、すごくわかった。私もついこの前まであったなあって(笑)」。

メリダは、もがき、反発していく中で、母の愛に気づいていく。「最初は、自分の主張を通そうと、お母様の言葉を理解しようとも思わないんですよね。逆に自分の発言に耳を傾けようとしない、自分に物事を押し付けてくるとメリダは感じてしまう。でも、メリダの気持ちはすごくわかるんですよね。自分の気持ちを一生懸命にお母様にぶつけるメリダの姿が、可愛くて、愛くるしくて、大好きです!」と、愛情たっぷりに語る。「メリダは、色んな壁を乗り越えることで、家族の愛に気づいたり、客観的に物事を考えられるようになるんです。それがメリダの良いところで」と、メリダの内面の変化にとりわけ魅力を感じたようだ。

続けて、「私も頑固な方で(笑)。やっぱりAKB48って、女の子ばかりじゃないですか。学校でもそうだと思うんですが、グループが変わると、自分も流されてしまったり。女の子ってそういうところがあったりする。その中で、私はぶれずに、自分を見つめているつもりでいます。だからといって、頑固になって、人の意見を聞き入れない、というのは絶対にしないようにしていて。そういうところも、メリダと似ていると思います」と、真っ直ぐな眼差しで語ってくれた。

好きなシーンを尋ねると、家族への思いがにじみ出した。「メリダが、魔法で熊になってしまったお母様と魚獲りをするシーン。あのシーンまでは、『お母様をこんなふうにしてしまったのは、自分のせいじゃない!』って思っているんですけど、徐々に母の愛に気づいていく。メリダが『あ、お母様のことを愛していたんだな』って表情になるところがとても印象的で。私も、常に力になるのは家族の存在。お父さんも、お母さんも、すごく私を応援してくれて、何よりも大切にしてくれているなと思います」。

ディズニー/ピクサー作品に携ってみて、もの作りへの思いを特別なものにしたという。「ディズニー/ピクサーの作品って、全世界の人にものすごく愛されているじゃないですか。それは作っている側が、本当に作品を愛しているからなんだなって。こんなにも気持ちを込めて作っていれば、愛されないわけがない! みなさんがキャラクターや作品を我が子のように思っているんです。向き合っている相手との距離のとり方や声の出し方が勉強になったのはもちろんのこと、一つのセリフを深く考えることの大切さを学びました。たとえば、『嫌だ!』っていうセリフも、どれだけ嫌なのかっていうのを、もっと考えなきゃいけないんだって」。

今後の活動にも大いに刺激を受けたといい、「そうやって一つ、一つ、ちゃんと考えて取り組むことで、伝わり方も変わってくる。私も、もっともっと全力でやるべきなんだって、強く思いました」と、充実の表情で語ってくれた。生き生きとした笑顔の中に映る、飽くなき好奇心と向上心。より高みを目指し続ける姿が、多くの人に元気を与えている。愛を力に成長していくメリダ役は、まさに彼女にこそぴったりだ。まずは本作で、新たな大島優子のチャレンジを見届けてもらいたい。【取材・文/成田おり枝】

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