悲劇を乗り越え、『ダークナイト ライジング』が2D映画のオープニング新記録を樹立!

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悲劇を乗り越え、『ダークナイト ライジング』が2D映画のオープニング新記録を樹立!

歴代のオープニング記録が期待されていたクリストファー・ノーラン監督のシリーズ最終章『ダークナイト ライジング』(日本7月28日公開)は、公開初日の7月20日未明にコロラド州の映画館で約70人の死傷者を出した銃乱射事件によって、悲しい幕開けとなってしまった。しかし、多くのファンはこの悲劇に屈することなく映画館に足を運び、週末3日間の興行成績は1億6089万ドルと、2D映画としは全米歴代1位のオープニング新記録を樹立した。

前作の『ダークナイト』(08)の大ヒットを受け、同作は、今年5月に全米歴代1位のオープニング新記録を樹立した『アベンジャーズ』の2億744万ドルにどこまで迫ることができるのかに注目が集まっていた。

ハリウッド・レポーター誌などによれば、「ノーラン監督があくまでも2D映画にこだわったため、3Dの『アベンジャーズ』(日本8月14日公開)を超えるのは難しいと思われていたが、前売券の売り上げから、少なくとも3Dの『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(11)の1億6919万ドルは必至と考えられていました。しかし、今回の惨事によって、興行成績は少なくとも1000万から1500万ドルはダウンしていると考えられており、全米歴代オープニングとしては、『ダークナイト』(08)の1億5841万ドルを抜いて、3位にランク入りを果たした」という。

今回の悲劇を受け、パリでのプレミアムイベントを中止したほか、米キー局は一時的にテレビスポットを中止し、現在は予告編から銃撃シーンを削除している。また劇場によっては、荷物チェックや警官を配備するなどの措置が取られたため、一部の観客は来場を見合わせたようだ。しかし、「ずっと待ち望んでいた映画。悲しみに屈せずに、監督やバッドマン映画を応援するためにも予定通り映画を鑑賞した」というアメリカ人たちの強い意志に支えられ、予想外に興行成績を落とす結果には至らなかった。

今回の惨事を受け、ワーナー・ブラザースはもとより、ノーラン監督、主演のクリスチャン・ベール、アン・ハサウェイ、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットら出演者、クリス・エヴァンス、ウィル・スミス、ジェレミー・レナーなどのセレブたちが犠牲者や遺族に追悼の意を表した。またワーナーは、遺族への配慮から、被害者の遺族に対して相当額の寄付を行い、監督やキャストらによる日本、メキシコでのプロモーションイベントを中止している。

「プロモーション自粛による世界的な興行成績への影響力は計り知れません。またアメリカでも、早くから前売券を購入していた熱狂的なファンが映画を鑑賞した後は、口コミや予告編が大きく左右するため、リピーターを含めて、これから自粛ムードの影響が出てくる可能性がある」という。【NY在住/JUNKO】

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