『アナザー Another』の山崎賢人と橋本愛「生首がリアルだった!」
綾辻行人のホラー小説の映画化『アナザー Another』(8月4日公開)に出演した山崎賢人と橋本愛にインタビュー。『管制塔』(11)に続き、共演したふたりは息の合った演技で、中学3年生のみずみずしい青春を体現した。本作は、次から次へと変死を遂げる学園ミステリーだが、明るい現場を楽しんだというふたりに撮影秘話を聞いた。
監督は、沢尻エリカ出演作『オトシモノ』(06)で注目された古澤健。監督からは「青春の甘い感じを見せたい」とリクエストされたという。さらに山崎は、監督から「演じた恒一は受け身の役だから、リアクションを真剣にやってほしい」という演出を受けた。「恒一は芯が強くて前向きだから、呪いにも立ち向かっていく。だから強く演じてほしいと言われました」。
橋本愛は、神秘的なヒロイン見崎鳴役だ。「鳴役については、原作を読んだ時の印象に沿って演じようと思いました。だから、最初は存在しているかどうかわからない幽霊のような人物に見えることを意識しました。鳴は純粋で優しくて本当に良い子なので、後半はそういう部分を出していけたらと思って演じていきました」。
ホラー映画が大好きだという山崎は、「ホラーの現場って怖くないんだって思ったのと、大の大人たちが本気になって人をびびらせようとしている点が面白いなって思いました。作品自体もミステリー要素が強い、新しいホラー映画だったし、そういう作品に出演できて良かったです」と満足気に語った。一方、橋本愛は実はホラーがあまり得意ではないという。「台本すら読んでいくにつれて、怖くて力が抜けちゃって。だから、現場で怖いシーンはモニターでもあまり見なかったです。そう言いながらも、出演作はなぜかホラーが多くて(苦笑)。撮影中は怖くないけど、出来上がりを見るのは毎回きついです」。
今回は、バラエティーあふれる怪死シーンも見どころだ。橋本は「みんなでモニターを見て、わーって言っていましたが、私は無理で。死ぬ役の人は、見ていてすごく大変そうでした」と告白すると、山崎も「確かに」と苦笑い。橋本も「(凶器が)顔に刺さった状態で共演者が現場に来たりすると、面白いんだけど、やっぱりグロテスクで。最初は見ても『ええ!!』って驚いちゃう。それくらいリアルでした」。
橋本が「かたどった生首がぞろぞろ運ばれているところを見たりすると、ウェーッてなったりもしました」というと、山崎も「生首は本当にリアルでした」と興奮気味に語った。「本人の型を取って作ったらしくて、近くでみると、作り物だとわかりますが、遠目から見ると本当に生首なんです!」と感心する。
話題作が続くふたりに、今後一緒に仕事をしてみたい監督やキャストについて聞いてみた。山崎は「次にもらった仕事を精一杯頑張りたいです。今までやったことのない役があったらやってみたいし」と言いながら、「いつか宮藤官九郎さんの監督作に出たいです。ファンだから」と力強く語った。橋本は「大好きな監督さんや役者さんはたくさんいるのですが、逆に言いたくないんです。それがきっかけで仕事が来ちゃったら、緊張して耐えられないかも(笑)。そういうのがばれたくない、ファンであることを知ってほしくない。意地っ張りだと思うんですが」と、愛らしい笑みを浮かべた。
先の読めないホラー映画としてのストーリーはもちろん、山崎賢人と橋本愛のティーンエイジャーならではの輝きも映し出した『アナザー Another』。あなたは最初から学園の謎が読み取れるか?映画館で試してみてほしい。【取材・文/山崎伸子】