官能的ダンスで病気を治す!?タンゴの思わぬ効力を利用したセラピーとは
タンゴといえば、男女が身体を寄せ合って踊るセクシーで情熱的なダンス。社交ダンスの一ジャンルとして記憶している人も多いだろう。そんなタンゴを通じて、認知症を患った父とその家族の絆を描いた人間ドラマ『「わたし」の人生 我が命のタンゴ』が8月11日(土)より公開される。同作でクローズアップされているのが、認知症をはじめ、様々な病気の治療にタンゴを利用するというタンゴセラピーだ。
これまでにもアンチエイジングなどの美容効果が注目されてきたタンゴだが、実はアルツハイマー患者の記憶力向上や、パーキンソン病の症状改善にも一定の効果を上げているというから驚きだ。タンゴの複雑なステップや微妙なバランス感覚が、色々な疾患にプラスの影響を与えるのだ。官能的で激しいタンゴの踊りにそんな効力が隠されていたというのは、かなり意外な感じがするのではないだろうか。
映画は、認知症治療のために父が習い始めたアルゼンチンタンゴを通じて、壊れかけていた家族がもう一度心を通わせていくまでを感動的に描いている。また、介護のために仕事を辞める介護離職者の問題や、そもそも家族とは何かといった深いテーマにも切り込んでいるので、見ごたえも十分だ。監督・原案を務めた和田秀樹が現役の精神科医だということもあり、認知症患者を抱えた家族の苦悩をとてもリアルに表現しているのも本作の大きな魅力だろう。
ヨーロッパではパートナーとの関係修復や、夫婦間のカウンセリングにも応用されているというタンゴ。本作をきっかけに、思わぬ効力を秘めたタンゴの世界に目を向けてみてはいかがだろうか。【トライワークス】
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