『コッホ先生と僕らの革命』主人公の型破りな教育が子供たちの未来を変える
ドイツサッカーの父コンラート・コッホの実話を基に描いた『コッホ先生と僕らの革命』(9月15日公開)。本作のメイキングと一部の本編映像が公開され、コッホの型破りな教育方法が明らかとなった。
本作は、19世紀末、ドイツ帝国の厳格な名門校にイギリスからドイツ初の英語教師として赴任したコンラート・コッホが、授業にサッカーを取り入れ、偏見や階級、国籍に対する差別意識を持った生徒たちにフェアプレイの精神やチームプレイの大切さを教えていくヒューマンドラマ。主演は『グッバイ、レーニン!』(04)で一躍注目されたダニエル・ブリュール。規律と慣習のみを信じる教師や親に正面からぶつかる型破りな教師を演じている。
本映像では、サッカー用語を通じて英語を教えるという型破りなコッホの授業に戸惑いを隠せなかった生徒たちが、サッカーを体験しながら英語に触れることで、活き活きとした表情で授業を受けるようになる様が映し出されている。さらに、撮影風景のメイキングでは、撮影前に笑顔を見せていた子供たちが、撮影が始まると一気に表情が引き締まり、子供ながらにプロ魂を見せつけられる。これはまさに撮影現場で、セバスチャン・グロブラー監督やダニエルの教育が行き渡っていたという証拠ではないだろうか。
思春期手前で生意気な年頃の少年たちは、集中力が長く続かないため、グロブラー監督は子供たちのやる気を上手く引き出すよう工夫をしていたという。ダニエルは「撮影機器のことを忘れ、子供たちの顔やセットに目をやる瞬間が好きだ」と語り、まるでコッホが乗り移ったような表情を見せる。子役の少年たちがダニエルに感化されるように役に入りこんだ表情から、まさに教師と生徒としての良き関係が撮影中に築き上げられたということが伝わってくる。
未だに差別意識や偏見がはびこる現代社会。いじめやセクハラなどの問題が後を絶たない今、本作を通して教師と生徒のあり方を見つめ直すと共に、コッホが教えるフェアプレイの精神、チームワークの大切さなど、人との関係性をどう築くべきかを改めて自問自答してみるのも良いだろう。【Movie Walker】