クリント・イーストウッド、4年ぶりに俳優復帰!『人生の特等席』日本公開日決定

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クリント・イーストウッド、4年ぶりに俳優復帰!『人生の特等席』日本公開日決定

伝説の映画人クリント・イーストウッドが俳優としてスクリーンに復帰する『人生の特等席』(原題『Trouble with the Curve』全米9月21日公開)の日本公開が11月23日(祝)に決定した。現在、82歳のクリント・イーストウッドは、自らが監督・主演を務めた『グラン・トリノ』(08)をもって、「もう積極的に役は探さない」と語り、実質的に俳優引退宣言をしていたのだ。

本作でイーストウッドが演じるのは、大リーグの伝説的なスカウトとして何十年も活躍してきたガス。ガスの唯一の家族で娘のミッキーをエイミー・アダムスが演じる。監督は『マディソン郡の橋』(95)以来、17年にわたってイーストウッドから直接映画作りを学んだ、右腕ともいうべきロバート・ロレンツだ。

ロバート・ロレンツは『グラン・トリノ』撮影中のデトロイトで監督をやりたいという希望を伝え、イーストウッドが唯一、弟子入りを認めた存在だ。「監督という仕事を学ぶのに彼以上の師匠はいないよ。私はとにかく何でも吸収した。クリントは良い意味でとても昔気質で、映画のことを他の誰よりも理解している」と師匠について語る。イーストウッドは撮影中、見守るようにモニターを見つめていたという。「とにかく完璧に準備した。一瞬でも迷いは見せられなかった。撮影が始まってある時点まで彼(イーストウッド)は私を観察していて、力を見極めようとしているのを感じたよ」と緊張感のある現場だったことを振り返った。

視力が弱ってきている今、年齢による衰えを誤魔化しきれないが、それでも引退するつもりがなガスに対し、アトランタ・ブレーブスのフロントは疑問を持ち始める。そんな苦しい立場に追い込まれているガスを助けられるかもしれないのは娘のミッキーただ一人。彼女がスカウトに同行し、ガスの目の代わりを務めることだった。しかし、ふたりの関係は良好とは言えない。ガスは妻を亡くした時、シングルファーザーとして子育てをする心構えができておらず、ふたりは長く一緒に生活をすることができなかった。幼いミッキーにとって、父は常に遠い存在であり、今でもその関係は変わっていなかった。不本意ながらも、ガスの抵抗を受けながら、ミッキーはスカウトのため父に付き添うことになる。仕方なく、何年かぶりに一緒に過ごすうちに、ふたりはお互いを見つめ直し、今まで父が何も語らなかった長く秘められてきた真実が明らかになっていく。

愛弟子たるロバート・ロレンツのため、映画の魂を引き継ぐため、カメラの前に戻ったクリント・イーストウッド。本作『人生の特等席』は4年ぶり、自身の監督作以外では『ザ・シークレット・サービス』(93)以来、19年ぶりの俳優復帰作となる。他の共演者はジャスティン・ティバーレイク、ジョン・グッドマン、マシュー・リラード、ロバート・パトリック、息子のスコット・イーストウッドなど。本作が俳優として主演を務める最後の作品になるかもしれないクリント・イーストウッドの姿を是非とも目に焼き付けてもらいたい。【Movie Walker】

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