『のぼうの城』世界初お披露目!海外映画祭初参加の上地雄輔は弾丸スケジュール完遂

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『のぼうの城』世界初お披露目!海外映画祭初参加の上地雄輔は弾丸スケジュール完遂

和田竜の同名ベストセラー小説を野村萬斎主演で映画化した『のぼうの城』(11月2日公開)。本作のワールドプレミアが第36回モントリオール世界映画祭で現地時間の8月28日に行われ、出演者の上地雄輔と、犬童一心監督、樋口真嗣監督が登壇した。上地は今回が初の海外映画祭参加となったが、多忙スケジュールのため、滞在時間わずか20時間弱という弾丸スケジュールを見事完遂。途中、トランジット先の飛行機が遅延するなど、トラブルに見舞われながらも、予定されていたスケジュールを全てこなし、文字通り不眠不休で初の海外映画祭を楽しんでいた。

映画化実現まで8年の時間を費やし、この日、世界で初めてお客さんにお披露目された本作。黒のタキシードに身を包み、演じた石田三成を彷彿とさせる装いの上地と、のぼう様(成田長親)と石田三成の兜を被った犬童監督、樋口監督が劇場に登場。フランス語で用意した挨拶を、時にユーモアを交えながら披露した。海外ではコーエン兄弟、ウォシャウスキー兄弟が有名だが、日本映画としては異例の、犬童監督とW監督を務めた樋口監督は、フランス語で「私たちは双子ではありません。私たちは夫婦でもありません」とジョークを放った。

本作について、犬童監督は「この映画は今から450年ぐらい前の話です。東京の隣の街で本当に起こった話です。登場人物も生きていた人たちで実在の人物です。物語の中の水攻めという水を使った攻撃も実際に行われたものです。その時代、日本は戦国時代と呼ばれ、日本中が戦争をして、その中で誰が天下を取るかという戦いをしていました。いつ自分が死んでもおかしくない時代で、一生懸命生きた人たちの姿を描こうと思いました。日本でもこの映画を見た人はまだいないので、皆さんは一番最初のお客さんです。是非、積極的に自分で楽しんでください」と呼びかけた。樋口監督は「この映画は戦いの話です。敵・味方に分かれていますが、どっちが正しい、どっちが悪いということはないと思います。隣にいる上地さんは映画の中では敵軍の一番偉い指揮官です。映画の中では、我々は敵であろうと、味方であろうと、魅力的な人間だと感じていたので、(石田三成を)魅力的に描こうと思いました」と明かした。

秀吉側の武将で、忍城攻城軍総大将の石田三成を演じた上地は、「この映画はたくさんのスタッフ、素晴しいキャストの皆さんと力を合わせ、時間をかけて一生懸命作った作品です。本当は昨年封切りになる予定でしたが、日本で大きな震災があって、この時期に封切られることになりました。これをきっかけに日本や世界中に力強さや優しさが広がるように、皆さんもこれを見て、もし感動したらいろんな家族や友達に強さや優しさを伝えてもらえたらなと思っています」と伝えた。

近年、モントリオール世界映画祭では『おくりびと』(08)が最優秀作品賞を、『悪人』(10)で深津絵里が最優秀女優賞を、『わが母の記』(12)が審査員特別大賞を、『アントキノイノチ』(11)がイノベーション・アワードを受賞している縁起の良い映画祭だ。本作『のぼうの城』にも大いに期待したいところだ。【Movie Walker】

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