宮崎あおいが岡田准一と登壇!『天地明察』舞台挨拶で「幸せな時間でした」
2010年吉川英治文学新人賞、本屋大賞を受賞した冲方丁のベストセラー小説を実写映画化した『天地明察』(9月15日公開)の完成披露試写会が8月30日、丸の内ピカデリー1で開催。最初に岡田准一、宮崎あおいら豪華キャストや滝田洋二郎監督、原作者の冲方がレッドカーペットに登場。主演の岡田は「アカデミー賞監督の滝田監督とのお仕事、プロフェッショナルな共演者とご一緒させていただけたことが、30歳の転機となりながら、真剣に熱い夏を過ごしました」と挨拶をした。
日本初の暦作りに挑戦した、実在の人物・安井算哲を演じた岡田。その妻えん役の宮崎は「本当に温かい現場で、とても嬉しい幸せな時間でした。算哲さんという人は、いろんな人に支えられながら生きていますが、それはきっと誰もが同じで、いろんな人に支えられながら生きているんだと実感できるような作品になりました」と語った。佐藤隆太も「映画愛に満ちた素晴らしい現場。憧れの監督と、久しぶりに准一くんと仕事ができました」と笑顔を見せた。
2009年の第81回アカデミー外国語映画賞を受賞した『おくりびと』(08)以来、2年ぶりに本作のメガホンを取った滝田監督は、「スケールの大きな小説の言葉や精神を映画にするのはとても苦労しましたが、素晴らしいキャストが、独特の息吹を吹き込んでくれました」と満足気な表情で語った。そのキャストとは、本日登壇した岡田、宮崎、中井貴一、佐藤、市川猿之助、横山裕、渡辺大たちだ。舞台での怪我のため欠席した市川染五郎についても、滝田監督は「歌舞伎界にとっても、映画界にとっても本当に大切な方」と話すと、岡田も「現場で大変お世話になりました。一日も早い回復を祈っております」と答えた。
また、市川猿之助は「算哲の素晴らしさは、岡田准一の素晴らしさ。彼と丁々発止の芝居ができたことは、俳優人生を豊かにしてくれたと思ってます」と岡田を絶賛すると、渡辺も「男がほれる男、算哲。岡田くんの人間性があふれていると思います」と、力強く語った。おちゃめなコメントを発したのはベテランの中井貴一だ。中井は水戸光圀を演じたが、「最初に『格さんと助さんは出てきません』と言おうとした自分が恥ずかしくて(苦笑)」と笑いをとった。
原作者の冲方丁も「同じ星を違う場所から見たような感銘を受けました」と称えた映画『天地明察』は、滝田監督のもとで、岡田、宮崎ら実力派俳優陣らが織り成す味わい深い感動作に仕上がっている。数多くの挫折を繰り返しながらも、自分の信念を全うしようとする算哲の生き様は、今を生きる現代人にも勇気と元気を与えるに違いない。【取材・文/山崎伸子】