キュートな双子の黒猫にメロメロ!猫ファン必見の癒しムービー
「目の前を黒猫に横切られると縁起が悪い」などという迷信によって、ネガティブなイメージを抱かれがちな黒猫。しかし、そのミステリアスな雰囲気で多くの人を魅了している存在でもあることは、黒猫をモチーフにした雑貨が様々な店に並べられていることからもわかるだろう。そんな黒猫をメインキャストにすえた『くろねこルーシー』が、1月から放映されたテレビドラマに引き続き、10月6日(土)から全国公開される。
「ねこ占い師」として人気のあった父との確執によって黒猫が大の苦手となった、日本一黒猫に横切られるツイてない男・陽と、その家族の姿を描いたテレビシリーズの前日譚となる劇場版は、陽の父親が主人公の物語。迷信を信じ、縁起を担いでばかりいる気の小さい占い師・鴨志田は、妻の幸子と5歳の息子・陽と別居中。不器用な性格ゆえにうまく人と接することができず、店は閑古鳥が鳴いていたが、そんな彼の家の前に現れたのが、母猫から置き去りにされた2匹の子猫。カラスに狙われ、震える子猫を見かねて、2匹を保護した翌日、鴨志田はペットショップを訪れ、店員の渚に猫の処遇を相談するも、猫にも育児拒否があり、保健所に預ければ殺処分だと聞かされる。困った鴨志田は、いやいや子猫の世話を始めるが、そのうちに運勢が次第に上向きになり始める。
『幼獣マメシバ』(09)、『ねこタクシー』(10)、『犬飼さんちの犬』(11)など、人と動物との交流を丁寧に描いてきた人気シリーズ最新作でもある本作は、監督の亀井亨をはじめ、動物を可愛く撮ることに定評のあるスタッフが集結。生後50日というルーとシー、2匹の黒い子猫が主人公の周りで自由気ままに走り回ったり、取っ組み合ったりと、気ままに過ごす姿を動物に対する愛情あふれる視線でとらえた映像は、黒猫好きはもちろん、そうでない人も夢中にさせてしまうだろう。
鴨志田が持っているボストンバッグからルーとシーが一緒に顔を出すシーンは、リハーサルでは全くうまくいかず、そのまま本番に入ったところ、何と本番では2匹が一緒にひょこっと顔を出すことに成功。そのシーンだけではなく、リハーサルでは好き放題だったのに、本番ではばっちり演技をきめてくることが何度もあったそうで、子猫にして大俳優としての風格を見せているのにも注目だ。
黒猫たちの可愛らしさもさることながら、主演作『間宮兄弟』(06)で日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を獲得したドランクドラゴンの塚地武雅、マルチタレントとしても活躍中の安めぐみなど、豪華なキャスティングも魅力の本作。是非、劇場の大スクリーンで子猫に癒されてほしい。【トライワークス】