『あなたへ』がモントリオール世界映画祭でエキュメニカル審査員賞特別賞を受賞
高倉健が6年ぶりに主演を務めた『あなたへ』(公開中)が、第36回モントリオール世界映画祭 ワールドコンペティション部門に正式出品され、映画祭最終日となる現地時間9月3日に授賞式が行われた。最優秀賞の受賞は逃したものの、本作は人の心情を芸術的に描いたことを評価され、エキュメニカル審査員賞特別賞を受賞した。
授賞式前に行われたレッドカーペットアライバルに参加した高倉は、映画祭の最高責任者セルジュ・ロジークと腕を組みながら各国からのゲストの先頭を切ってレッドカーペットを笑顔で歩いた。授賞式では各賞の説明の通訳に耳を傾け、受賞者に惜しみない拍手を送るなど、18年ぶりの映画祭を楽しんだ。
「ロジーク氏に御礼が言えて良かった」と出席の大きな目的であった“モントリオールに13年前の御礼がしたい”という願いは叶えられ、充実した映画祭への参加となったようだ。
エキュメニカル審査員賞特別賞は、“人間性の内面を豊かに描いた作品”に与えられる賞で、コンペティション部門以外の審査員により選出される。これまでに同賞は、1986年に森田芳光監督の『それから』(85)が受賞している。受賞に際し、市川南エグゼクティブプロデューサーは「多くを語らずとも相手のことを思いやるという日本的な感情を表現したこの作品が国際的に評価されたことは大変光栄です」と挨拶。前日に行われた上映会でも「人の心の内面の描き方が素晴らしい」「日本的な余白を残した表現が美しい映画だ」と海外プレスからも高い評価を得ていた。【Movie Walker】
作品情報へ